Amazonは米国時間3月4日、同社電子書籍リーダー「Kindle」で購読できるのと同じ電子書籍を、Appleの「iPhone」および「iPod touch」でも読めるようにする無料のアプリケーションを発表した。
同プログラムは、AppleのApp Storeでダウンロード可能となり、KindleのユーザーがAmazonで購入可能な24万冊以上の電子書籍へのアクセスを提供する。同プログラムの「Whisper Sync」サービスは、選択した電子書籍をどこまで読み進んだか記録するため、ユーザーがKindleとiPhoneの両方を所有している場合でも、以前に(どちらかで)読み終えた場所から、再び読み始めることができる。
Lexcycleの「Stanza」や、Fictionwiseの「eReader」など、すでにiPhoneでは、別の電子書籍リーダーが人気を博しているものの、Kindleで購読可能な電子書籍コンテンツが、他の非Kindleデバイス上でも利用可能となるのは、今回が初めてである。AmazonのバイスプレジデントであるIan Freed氏は、2月に行われたCNET Newsとのインタビューにおいて、今回の発表をほのめかす発言をしており、iPhoneでKindleの電子書籍コンテンツを購読するユーザーの中で、結局はKindleの購入に至るユーザーもいるはずだとの楽観的な見通しを明らかにしていた。
今回の発表は、電子書籍市場で攻勢をかけたいと願う、Amazonの一連の取り組みの中でも最新のものとなる。同社は2月9日、第2世代の電子書籍リーダー「Kindle 2」を発売した。359ドルのKindle 2は、初代Kindleよりも薄型で、より長いバッテリ寿命が特長となるとアピールされている。
しかしながら、同社は、Kindle 2の新機能であるテキスト読み上げが、オーディオブックの販売を阻害するものになるとして、米作家協会(Authors Guild)からの厳しい非難にさらされた。9000人の作家を代表する米作家協会は、Amazonが同機能に伴う著作権保有者への支払いを怠っており、それゆえに著作権を侵害していると主張した。最終的には、Amazonが折れる形で、著者や出版社が、作品ごとにKindleのテキスト読み上げ機能を有効にするかどうか決定できるようにシステムを修正する作業を進めることを、2月末に発表した。
すでにGoogleは、「Google Book Search」のモバイル版を2月にリリースし、iPhoneやAndroidのユーザー向けに、(著作権消滅で)パブリックドメインとなった150万冊以上の書籍へダイレクトにアクセス可能なサービスを立ち上げており、今回のAmazonの発表は、Googleを追撃するものとなる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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