シアトル発--Amazonは、「Amazon Kindle 2」をホットな製品にしたいと考えたが、同時に熱くなりすぎないようにも気をつけている。
Kindle 2では、デザインが薄型化し、記憶容量が増加した。しかしAmazonが追加することもできたのに、そうしなかったものも数多くある。カラーディスプレイなどを搭載すれば、価格が高くなり、バッテリ寿命が短くなるだけでなく、このガジェットを手で持つのが苦痛になっただろう。
AmazonのバイスプレジデントのIan Freed氏は、シアトルのダウンタウンにあるAmazonオフィスでのインタビューで「Kindleが優れている点の1つは、決して熱くならないことだ」と述べた。読書中のユーザーがKindleをできるだけ意識しないようにするという点が、Kindleに関するAmazonの最大の目標であることを考えれば、この点は重要だとFreed氏は語った。
「Kindleにとって最も重要なことは、姿を消すことだ」とFreed氏は言う。これは初代Kindleの目標であり、米国時間2月23日に出荷を開始したKindle 2を、どのようなものにするかを決める際に鍵となる要素でもあった。より薄型で光沢のあるデザインなどは、明らかな要素だ。しかし、通信モデムの改善なども行われている。その結果、Kindleのユーザーは、最新情報の入手や新しい書籍の購入の際に、通信圏外になることが少なくなるだろう。
最大の新機能の1つは、見ることが不可能な機能だ。新機能の「Whisper Sync」では、同じ電子書籍を、最終的にはKindleや携帯電話など複数のデバイスで読めるようになる。
Freed氏は、Kindleのコンテンツを具体的にいつから携帯電話で読めるようになるかについては語ろうとしなかったが、Kindleのコンテンツを読むのに、Kindleを持つ必要がなくなることは認めた。ただしFreed氏は、Kindleのコンテンツを携帯電話で試しに読んでみたユーザーの中には、最終的にAmazonのデバイスを購入する人もいるのではと考えている。
携帯電話オプションには、Kindle 2に新たに搭載され、議論を呼んでいるテキスト読み上げ機能などがあるが、これは読書の主な形態としてよりも、短いコンテンツ向けに設計されたものだとFreed氏は言う。携帯電話は、本を読む時間が数分あるというような突発的な機会に適している。一方、テキスト読み上げ機能は、続きが気になる場面の最中で、車に乗ったり、夕食を作ったりしなければならない人に向いている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス