Barack Obama米大統領は米国時間3月3日、通信規制当局である米連邦通信委員会(FCC)の次期委員長にJulius Genachowski氏を指名した。Obama大統領の選挙運動で顧問を務めたGenachowski氏は、これまでにインターネット企業の幹部として働いたほか、ワシントンDCで政務に携わった経歴も持つ。
Genachowski氏はこれまで、次期FCC委員長の有力候補と言われてきた。その根拠の1つは、Genachowski氏がObama大統領の選挙運動でインターネット担当チームに参画し、かつて民主党系のFCC委員長Reed Hundt氏の首席顧問を務めたこともあるから、というものだ。
Obama大統領は声明の中で、「Genachowski氏は、20年間にわたって民間部門と公職で業績を上げており、通信と技術における多様で比類なき体験をこの仕事にもたらすだろう」と述べている。
Genachowski氏は、ネットの中立性に関する新たな規制を求める民主党路線を維持する見込みだ。ネット中立性関連法案には、一部の保守派と通信事業者が反対している。Genachowski氏は、Obama大統領の最高技術顧問で、ネット中立性関連の規制を支える技術プラットフォームの策定を支援した。
ネット中立性に関連するFCCの最初の公式な裁定は、2008年夏に下された(ただしそれ以前にも、ネット中立性をめぐる争いが和解で決着した例がある)。FCCは、BitTorrentのトラフィックをブロックしたComcastの行為の違法性について採決を行い、3対2の僅差でその違法性を認定した。現在、この件は連邦控訴裁判所で争われている。
Genachowski氏は、Obama大統領のハーバード大学ロースクール時代のクラスメートで、かつては民主党上院議員のChuck Schumer氏の下で働いていた。また、LaunchBox DigitalとRock Creek Venturesの共同創設者であり、「Ask.com」「Match.com」「Gifts.com」「Reference.com」「Evite」「Citysearch」「Excite」など数多くのウェブ資産を所有するIAC/InterActiveCorpの法律顧問を含め、複数の幹部ポストに就いていた。
IACは、Amazon.comやeBay、Googleなどと共に、ネット中立性関連法の制定を支持する連合「Open Internet Coalition」に加盟している。
Genachowski氏は、FCC委員長に就任する前に上院の承認を得る必要があるが、承認は確実とみられている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」