アップルを意識するモバイル業界トップ--「オープン性が重要」 - (page 2)

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年02月20日 07時30分

 Kallasvu氏も同じ意見だ。Kallasvu氏は、Appleやその「閉ざされた」エコシステムを、将来モバイル市場においてイノベーションを制限しうるものの例として挙げた。Appleの垂直的に統合したモデルでは、ハードウェアとソフトウェアがAppleによってがっちりとコントロールされていて、これが市場をさらに断片化させたのだと、Kallasvu氏は言う。また、本当に必要とされるのは、アプリケーション開発におけるオープン性の向上だと付け加えた。

 Ballmer氏は、顧客により多くの選択肢を提供するためには、デバイスのオープン性が重要だと主張した。また、デバイス選択の際に「Windows Mobile」の顧客に用意されている選択肢の数について指摘した。

 「たった1つの企業があらゆるハードウェアやソフトウェアを作ることはできないということには同感だ。オープン性は重要だ。なぜなら選択の基本だからだ」(Ballmer氏)

 CEOはみなオープン性には賛成し、Appleにオープン性が欠けていることを批判したが、Mossberg氏は、市場におけるAppleの成功の拡大を指摘した。iPhoneは1年半前に発売され、出荷台数では驚異的な成長を見せてきた。それは、Appleが新たに立ち上げたアプリケーションストアも同じである。Appleは1月、App Store経由で合計1万5000本のアプリケーションが提供されていると発表した。またダウンロード数は、わずか6カ月で5億本以上に達した。

 Appleやその成功をめぐるこうした話題に、ヨーロッパ人の観客のうち少なくとも1名はいら立ち、Mossberg氏やパネリストに対して、Appleの世界市場全体でのシェアはまだ極めて小さいのに、Appleのしていることをどうしてそんなに心配するのかと質問した。

 de la Vega氏の回答は、業界がAppleをどう見ているのかを要約しているように思える。「業界の残り99.5%が、iPhoneをコピーしようとしているからだ」

 確かにそのとおりだ。パネリストの中の2社も、Appleの戦略の一部をまねてきた。Nokiaは2008年12月、iPhoneに対抗するため同社初のタッチスクリーン搭載の携帯電話「Nokia N97」を発表した。またMicrosoftの新しい「Windows Mobile 6.5」では、タッチスクリーンナビゲーションを使用できるが、これはiPhoneのソフトウェアに不気味なほど似ている。さらに、MicrosoftとNokiaが、AppleはApp Storeでうまくやっていると考えているのは明らかだ。というのは、どちらの会社もこのカンファレンスで今週、独自のアプリケーションストアを発表したからだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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