2月3日に公開された「Google Earth 5.0」は、過去にタイムスリップしたり、海底に潜ったり、火星を3D表示したりと驚くべき新機能を備えている。
ふと、なぜGoogleはここまでするのだろうか、と考えこんでしまうが、Google Earthのプロダクトマネージャー、Peter Birch氏の答えはもちろん、「我々は世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて〜」というGoogleお決まりのミッションだ。だが、今回は以下のような言葉を続けた。
「Google Earthはユーザーが自分のストーリーを語るためのツールだ。ただのデータの集まりではなく、ユーザー自身がデジタルの地球儀の上に写真を重ねることができる。プラットフォームでもあると思っている」。
地理情報に絡めて自分語りをするために、「オリジナルツアーの記録」という新機能も搭載された。これを使うと、Google Earthでさまざまな場所を巡った記録をナレーション付きで保存できる。自分の仮想ツアーは友人などと共有可能だ。
Peter Birch氏はサンフランシスコで前副大統領Al Gore氏、海洋学者のSylvia Earle氏を迎えて開催した盛大なプレスイベントを終えたあと、オンラインで日本のGoogle Earth発表会にも参加してくれた。サンフランシスコのイベントレポートは翻訳記事「『Google Earth 5.0』発表会場から--海中探索機能を生んだ一言とは?」を参照してほしい。
最初に紹介した新機能は、過去の航空写真を閲覧できる「歴史的イメージ」だ。「この機能を使うと、たとえば氷河が時間とともに消え行く様子や、街が変わっていく様子を、ちょうどたまねぎの皮をむくように見られる」(Peter Birch氏)
会見場ではモンタナにある氷河が徐々に減っていくデモが披露された。日本では1997年に撮影された航空写真がもっとも古いものになるが、それでも六本木ヒルズ周辺ならば街の変化がわかりやすい。1997年はなかった六本木ヒルズが2002年には建造中、2007年の写真では現在の姿になっている。詳細はフォトレポート「新Google Earthで海底と過去に行ってみた」に掲載している。
Google Earthで見られるもっとも古い写真はサンフランシスコの1946年の航空写真だ。これは政府が撮影したもの。現在は高速道路があるが、1946年当時はなく、そして1987年には完成している。かなり長い期間で街の移り変わりがわかる貴重な資料だ。
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