続いて、海洋データを表示する新機能「Google Ocean」が紹介された。この機能が開発されるきっかけとなったのは、海洋学者のSylvia Earle氏がGoogle Mapsの担当ディレクターに漏らした一言だったという。
Sylvia Earle氏は以前のGoogle Earthを見て、次のような感想を述べたという。「Google Earthは確かにすごいけど、いまはまだ“Google 地面”みたい。地球の3分の2は海なのに」。これにはGoogleも「確かに」と納得し、Ocean機能を開発することになった。
「Sylvia Earle氏がよく言っているのは、海についてもっと知ってもらう機会を作りたいということ。それはGoogleも同じ。ただ、Googleも海についてはよく知らなかったため、まず第一歩として海底の地形が必要だった。そこでNATIONAL GEOGRAPHICさんなどのパートナーと組んだ」(Peter Birch氏)
デモではカリフォルニアのモントレキャニオンが紹介された。Peter Birch氏によれば、この海域は海流が強いため、簡単に潜れるところではないという。そんなところが誰でも家にいながら見られるようになった。それがOceanの素晴らしいところだ。
さらに海中の生物の視点で海を泳げる機能もある。スタンフォード大学に、生物を追尾しているチームがあるそうで、そこのメンバーとGoogleが共同開発したものだという。たとえばサメが泳いでいるときはどのような眺めなのかがわかるようになっている。
これらの機能を使って地球上と海中の旅を一通り楽しんだら、オリジナルツアーとして保存することもできる。KMLファイルをメールなどで送れば、体験したばかりのサメの追尾映像を友人にもプレゼントできる。
火星の閲覧機能も大きく向上した。地球同様に3Dで見られるようになり、「地表に降りれば、目の前にある風景のように感じられる。まだ人類は火星に降り立っていないのに」(Peter Birch氏)。こうしたことが可能なのは火星探査機が撮影した写真をストリートビューのように構成しているからだという。
ところで今回の新機能を加えるにあたって、もっとも苦労した点は海中の標高がマイナスになることだったという。「実は標高がゼロより下になるのは、Google Earthを開発した当初はまったく想定していなかった。いってみれば、地下を作らない前提で建てた家に、やっぱり地下室を作るというようなもの。コードを直すのに苦労した」(Peter Birch氏)。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス