ベンチャーに価値ある市場となり得るか--東証が「TOKYO AIM」を設立する意図

 東京証券取引所(東証)が1月29日、4月創設予定のプロ投資家向け新市場「TOKYO AIM」の概要を発表した。世界的な金融危機にさらされる今、なぜ東証は新市場の創設に踏み切ったのか。ベンチャー企業の資金調達の場として将来性はあるのか。TOKYO AIMの詳細と設立の意図を探った。

 東証はロンドン証券取引所の運営する新興市場「AIM」と合弁でプロ投資家向け新市場TOKYO AIMを設立する。既存の新興市場より上場基準を緩和し、国内外から上場企業を募るとしている。ここで言うプロ投資家とは、長期的な資金提供が可能でリスク許容度の高い機関投資家や金融資産3億円以上の富裕層の個人投資家などと位置付けられている。

 ロンドン証券取引所のAIMは、1995年に設立された世界最大の新興企業向け株式市場。リスクテイク能力を持つプロ投資家の長期資金が新興企業に継続的に投資される場となっている。上場企業数は2008年末時点で1550社。

 TOKYO AIM設立の経緯は2007年10月まで遡る。東証がロンドン証券取引所と業務提携を締結し、新興企業向け新市場を共同で設立すると発表していた。この時点からプロ投資家向けの新興市場を運営するロンドン証券取引所のAIMのコピー市場となることは、半ば決定した事実でもあった。

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