Appleは米国時間1月27日、元IBMエグゼクティブのMark Papermaster氏がNoncompetition Agreement(非競争契約)をめぐるIBMとの訴訟で和解に至り、4月24日に、AppleのiPhone部門責任者に就任するとの発表を行った。
IBMは、Papermaster氏が、デバイス部門シニアバイスプレジデントとして、Appleに入社し、ハードウェアエンジニアリングチームを担当するのは、IBMと交わした非競争契約に違反するとして、同氏を提訴してきた。IBMは、AppleにおけるPapermaster氏のポジションを問題視し、IBMの重要な企業秘密を漏らすことにつながると主張していた。これまでの数カ月間、両者は書面での意見交換などを重ねてきたものの、どうやら相違点の解決策を見出すに至ったようである。
Papermaster氏の主席弁護士である、Weil, Gotshal & Manges法律事務所のBruce Meyer氏は、今回の和解についてコメントするのを拒んでおり、この件に関する質問の回答は、すべてAppleに委ねる指針を示したものの、Appleから、すぐには何の回答も得られていない。
IBMは、Papermaster氏との訴訟に関して、以下のような声明を出した。
IBMとPapermaster氏は現在、次のような和解条件にて、本訴訟を解決することで合意に至っている。Papermaster氏は、IBMを退社して6カ月が経過する、2009年4月24日までは、Appleでの勤務を始めることはない。また、その後も、IBMの機密情報を用いたり、開示したりしてはならないという契約を履行し、IBMに対して負っている、すべての契約および法的義務に沿うことに合意する。
Papermaster氏は、Appleでの勤務開始後、2009年7月に、さらには2009年10月に、IBMの機密情報や特許情報を用いたり、開示したりしてはならないとの契約が、本当に履行されているかどうかの調査に応じることが求められる。
これまでに出されていた仮差止命令は、本件に関する継続的な司法権を定めた裁判所命令(PDFファイル)に引き継がれ、Papermaster氏がIBMを退社して1年が経過する、2009年10月24日まで法的拘束力を有することになる。
今回の和解により、Papermaster氏は、2008年にシニアアドバイザーに昇進して職を退いたTony Fadell氏の後任を務めることが決定し、iPhoneおよびiPodのハードウェア開発を統括して、同社最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏に直接報告を伝える立場に就任することになる。(Fadell氏からPapermaster氏への)リーダーシップの移行は、Appleにとっては、願っていたほど順風満帆には進まなかったようだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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