欧州委員会から独占禁止法違反の疑いをかけられているIntelが対抗措置をとった。
欧州委員会は2008年7月、Intelが欧州チップ市場における立場を濫用し、小売業者に対して、競合するAdvanced Micro Devices(AMD)のチップを購入しない見返りに報奨金を出したと非難していた。今週、欧州連合(EU)の官報「Official Journal of the European Union」に掲載された告知によって、Intelが現地時間10月10日、欧州委員会に対抗して欧州第一審裁判所に申し立てを行ったことが明らかになった。
Intelはいくつかの主張を行っているが、中でも、欧州委員会の主張と「直接的に関連性がある」と同社が言う書類(特にAMDからの書面)を、欧州委員会が入手することを拒んだとされる点について不服を申し立てている。またIntelは、「これらの書類が提供されなければ(異議申し立てに)適切な対応ができない」とする同社の主張を退けた調査官の決定を無効にするよう裁判所に求めている。
加えてIntelは、これらの書類に対応するため、同社が受領した日から起算してさらに30日の猶予を要求し、欧州委員会が費用を負担するよう求めている。
Intelによると、調査官の決定に法的な誤りが含まれており、その点が正されなければ同社は適切に自らの立場を守れないという。
「第2に、疑義のあるこの決定は、差別的で不公平な調査を欧州委員会が続行することを許すものであることから、明らかに違法だと(Intelは)主張する」と、同社は申立書に記している。
EU競争委員会で広報を担当するNeelie Kroes氏は11月27日、ZDNet UKの取材に応え、「第一審裁判所において、この件に関する(自らの)立場をもちろん主張する」と述べた。Kroes氏はIntelの申し立てについて、独占禁止法違反の調査は続行中であり、調査結果に対する裁判所の決定ができるだけ早く下されることを期待する、と答えるにとどめた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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