独占禁止法違反で提訴されているにも関わらず、Intelの最高経営責任者(CEO)と会長は、自身の電子メールや文書を保存していなかった。Advanced Micro Devices(AMD)が提起した同訴訟の審問の筆記録にはそのように記されている。
デラウェア州連邦地方裁判所で先週行われた審問の筆記録によると、IntelのCEOであるPaul Otellini氏、会長のCraig Barrett氏、ワールドワイドセールス&マーケティング部門の責任者、Sean Maloney氏の3人は、2005年にIntelがAMDから独占禁止法違反で訴えられたにも関わらず、自分たちの電子メールを保存しなかったという。
Intelでは、メールなどの情報を35日後に自動的に消去する方針を取っているが、(裁判の証拠として必要な)文書や電子メールを消失しないためのバックアップテープを使用している。AMDの広報担当であるDrew Prairie氏によると、Intelは、そのバックアップテープを使用していない従業員のリストをAMDに提示したが、その中に上記の主要人物3人の名前も含まれていたという。
「(Otellini氏は)IT部門が自動的に同氏の電子メールのバックアップを行っていると思い込み、同氏自ら保存する必要はないと考えていたようだ、とIntelは説明している」(同記録)
Intelは3月初めに、AMDが同社に対して起こした反トラスト訴訟に関連する一部の文書を保存していなかったことを認めた。
Intelの広報担当のChuck Mulloy氏は、これは個人が関係する問題なので、この件に関するコメントは控えるが、電子メールや文書が消失する状況を是正するために「懸命に」取り組んでいる、と語った。
Mulloy氏は、「これは大変複雑なプロセスだ」とした上で、「やるべきことが山積している」と付け加えた。
同筆記録によると、Intelは1023人の従業員が文書を保存する必要があり、そのうちの500人以上が電子メールを全く保存していなかったことを確認しているという。このグループの大半は、数週間前まで電子メールの保存を一切指示されていなかった。しかし、このグループの一部の人々の電子メールは、2005年10月から11月までの間に、指定されたサーバから毎週行われるバックアップ用テープに移されているはずだったが、その移動は全く行われていなかったという。
Otellini氏や他の上級幹部など、残りのカストディアンらは、社内の他の者が彼らの代わりにデータ保存を行っていると思い込んでいた。
同筆記録には、「2カ月、3カ月、4カ月程度の差はあるとしても、彼らは他社の幹部らと連絡を取り合っている主要幹部だ」と記され、さらに次のように続いている。「われわれは必ずしも、その約1020人全員のコンプライアンスに関する情報が必要なわけではない。しかし、特定の人々・・・つまり、コンプライアンス問題を抱えるエグゼクティブバイスプレジデントおよびそのさらに上のポストの幹部らに関しては、必要以上に待ちたくない」
Intelは米国時間4月10日に、紛失した電子メールや文書の復旧計画を概説した報告書を裁判所に提出する予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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