Greenpeaceによると、電子機器メーカーは有害物質とゴミを減らす取り組みで前進しているが、エネルギー使用量の削減では十分に大胆な手を打っていないという。
環境保護団体Greenpeaceは米国時間11月24日、3カ月ごとにリリースしている「Guide to Greener Electronics」の第10版を発表した。最新版では、エネルギーに関して5つの新しい基準を加えてメーカーの取り組みを評価している。具体的には、メーカーがエネルギー使用量を報告しているか否か、再生可能エネルギーを購入しているか否か、製品がどの程度効率的か、などだ。
その結果、他社の集団から抜け出してトップに立ったのがNokiaで、逆に集団から大きく後れを取ったのが任天堂とMicrosoftだった。
Nokiaの高評価を支えているのは同社の包括的な回収プログラムで、これは今や124カ国に広がっている。2005年、同社はポリ塩化ビニル(PVC)の使用量を段階的に減らし、2009年末を目途に臭素化難燃材および三酸化アンチモンの使用をゼロにする目標を掲げた。
Microsoftは、2年連続でワースト2位という結果に終わった。原因は主に、同社がまだ有害物質の段階的な使用削減に着手していないこと、自主的に回収プログラムを実施していないことなどだ。任天堂は、有毒な物質の使用を中止する期限を定めていないことが酷評されている。
一方、かつては最下位になったこともあるAppleは、「業界で最もグリーンなノートブック」という触れ込みで最近発売した「MacBook」が、Greenpeaceから高い評価を得た。しかし、Appleもまだ多くの製品で有害物質を使用しており、リサイクルおよび温室効果ガスの排出量削減についてもまだ取り組みが十分でない、とGreenpeaceは述べている。
Greenpeaceによると、一部で低い評価がついているにもかかわらず、全体としては、電子機器メーカーは家電製品の廃棄物および毒性のある化学物質に関して改善しているという。しかし、地球温暖化が差し迫った問題になってきたため、Greenpeaceは今回、エネルギー使用量を評価基準に加えた。
Greenpeaceで国際キャンペーンを担当するCasey Harrell氏は、声明で次のように述べている。「われわれは、企業に対して、環境の取り組みについての話を聞くだけでなく、それ以上のことを求めている。そうして初めて、彼らをリーダーと呼べるのだ。われわれは行動を見せてもらう必要がある。クリーンなエネルギーの迅速な導入拡大、革新的な効率改善ソリューション、地球温暖化に対して即効性のある大胆な対策が必要だ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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