環境団体Greenpeaceが発表した、技術産業で使用されている有毒化学物質についてのレポートの中で、Apple ComputerおよびLenovo Groupの環境対策が批判の的になっている。
先週刊行された「Guide to Greener Electronics」は、消費者や事業者が、技術企業の環境対策を理解するのを手助けするガイドブックだ。より環境に優しい商品を購入したいならば、リサイクルの程度よりも、技術企業による有毒化学物質の使用状況に注目すべきだと、Greenpeaceは主張している。
Greenpeaceは声明の中で、「採点に際しては、リサイクルの基準ではなく、製造過程における有害物質の使用状況に重点を置いた。製品における有害物質の使用がなくならなければ、それを『安全』かつ無害な状態でリサイクルできることを保証できないからだ」と述べた。
ランキングで上位につけたのは、NokiaとDellである。フィンランドの携帯端末ベンダーNokiaは、2005年にポリ塩化ビニル(PVC)の製品への使用を中止するなどして、環境問題に率先して取り組んでいる。またDellも、PVCや臭素化難燃剤(BFR)の使用を大幅に低減することを目標にしているという。
反対に、LenovoとAppleは成績が振るわなかった。最下位となった中国のPCメーカーLenovoは、化学物質管理および自発的改修計画の項目では多少ポイントを稼いだものの、すべての基準でさらなる努力が必要と評価された。
Lenovoの関係者は、同社は国際的な環境規制に準拠しており、Greenpeaceのランキングは同社が実際に行っている環境対策を正確に反映していないと不満をあらわにした。
「われわれが主に製品を販売しているのは、消費者ではなく事業体である。また、取り引きをしているあらゆる事業体に対して、リサイクルサービスを提供している。Greenpeaceは、企業ウェブサイトを主たる評価基準の1つとしているというが、われわれが実施しているこうしたサービスは、公式ウェブサイトでは紹介されていないのだ」(同関係者)
またGreenpeaceは、おしゃれで進んでいるイメージのあるAppleだが、その環境対策はイメージほどに先進的ではないと述べた。「Appleが全体的にこれほど低い点数しか取れなかったのは、実に残念だ。Appleがデザインとマーケティングにおける世界的なリーダーであるのは間違いないが、革新的な環境対策の分野でも世界を率いていくべきだと思う」(Greenpeace)
Appleの関係者は、Greenpeaceの評価とその基準には異論があると述べている。同関係者は「Appleは環境対策に力を入れており、水銀、カドミウム、六価クロム、BFRのような化学物質の使用を制限/禁止するなど、業界をリードしてきた。われわれは製品ラインから、鉛の含まれるCRTモニタの取り扱いを完全に廃止している」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」