「iPhone」の販売が好調だった2008年第3四半期(7-9月期)も終わり、いよいよ市場全体で低調が予想される年末商戦期に突入する。そんななか、Appleが同デバイスを減産している可能性が出てきた。
FBR Capital MarketsのCraig Berger氏が米国時間11月3日に発表した調査リポートによると、Appleが第4四半期(10-12月期)に「iPhone 3G」の生産量を第3四半期より40%減少させていることが判明したという。Appleは第3四半期にiPhone 3Gを690万台販売したが、同期間の生産量は明らかになっていない。この点を踏まえると、このリポートからいくつかの可能性が浮かび上がってくる。
まず考えられるのは、AppleがiPhone 3G発売時は在庫に余裕を持たせたため、必然的に第4四半期は生産を減らすことになったのではないかということ。AppleはiPhone 3Gで、初代のiPhone発売のときよりもはるかに多くの国、通信事業者に販路を広げた。このとき、Appleは発売当初の需要を予測するのが難しいと考え、在庫を切らすくらいなら余分に生産した方がよいと判断した可能性がある。こうした経緯から、今、生産量を標準的かつ持続可能な水準に戻していることが考えられる。
Appleの最高執行責任者(COO)であるTim Cook氏は、Appleの第4四半期(7-9月期)決算に関する電話会議で、9月末時点で51カ国にわたる全世界の販売チャネルには約200万台のiPhoneが存在し、これは4〜6週間分にあたる在庫だと述べている。
もう1つ考えられる可能性は、世界規模の不況に直面したことに加え、6〜7月初めにかけて6週間発生した在庫切れが解決し、iPhoneの需要が落ち込んだのではないかということ。消費者の購買意欲をくじいた株式市場の低迷が始まったのは、第3四半期の末。この影響は第4四半期に強く出てくることが考えられる。
Appleは、現在のiPhoneの在庫を少しでも処分しようとしているのかもしれない。特にホリデーシーズンを含む第4四半期に入り、この経済状況下で誰もがビジネスに神経質になっている状態である。家電業界では、第4四半期は売り上げが上がる時だが、2008年の第4四半期は過去と比べて盛り上がらない可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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