Googleが、数多くの開発者の心をつかむことは、Androidが、単に世界の携帯電話の中でも、ごく一部にしか使われないオープンソースOSという位置づけから、強い影響力を有する存在へと飛躍する上で、重要なカギを握るものとなる。すでにGoogleは、開発者向けに何百万ドルもの賞金を用意したコンテストを開催しており、また新たなAndroidのプログラミングコンテストも発表される予定である。
Androidに満足している人の一例を紹介しよう。地元のバーや博物館、スタジアムなどで、どのような催しが行われているのかを検索できる、広告でサポートされたソフトウェアアプリケーションを、Android Marketのオープン当初から提供してきた、Buzzdの最高技術責任者(CTO)兼共同創設者となるDeepen Shah氏である。同氏は、Googleが提供しているAndroidのソフトウェア開発キット(SDK)は良い出来であり、iPhone向けアプリケーションよりも、Androidアプリのほうが開発しやすく、Googleが、同社プログラマーのサポートも利用できるようしている点を評価した。
また、Shah氏は、さまざまなイベントで「Androidプラットフォームに取り組む数多くの開発者へ、ダイレクトにアクセスできるのが魅力である」と述べている。これはAppleの場合と異なり、プログラマーが交流を通じて、友好関係を築いていくことさえ可能であることを意味している。一方、「Appleは、プログラマーが『Apple』のブランドネームに飛びついてくるに違いないとの確信のもとに、一方的にSDKを提供している」と、Shah氏は語った。
Appleは第3四半期中に、実に約690万台ものiPhoneを販売しており、豊富なアプリケーションラインアップをセットにした、この強力なインターネット接続デバイスには、非常に大きな需要があることが示された。プログラマーは、本当に広範囲に利用されているシステム上でアプリケーションをリリースしていきたいと熱望しており、この点で、iPhoneは現在、普及率およびコンピューティングパワーの両面で、最も魅力的なプラットフォームである。
ところで、AppleとGoogleは、この分野で競合しているにもかかわらず、ある意味では同じスタンスを占めてもいる。たとえば、両社ともに、携帯電話サービスを提供する通信事業者の介入を排して、独自のモバイルアプリケーションダウンロードサイトが有する力を強化していくことを望んでいる。
GoogleとAppleでは、物事の見方が異なっている。Appleは、ユーザーがより簡単に使えるようにするための一環として、介入を進んで行っている。一方で、Googleはより順応性があり、自由の利く、自治的なシステムを目指している。
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