Microsoftとワシントン州の検察当局は米国時間9月29日、PCの重大なエラーを修正するとされるソフトウェアの料金支払いを消費者に強要したポップアップ広告数件を提訴したと発表した。
同検察当局によるこの訴訟は、あるテキサス州の企業が絶え間なく現れるポップアップ広告を送り、コンピュータのレジストリ内に重大なエラーがあると偽って人々をそのエラーを見つける無料スキャニングソフトをダウンロードできるウェブサイトに誘導したと申し立てている。
その後、ダウンロードされたソフトウェアは43件の重大な問題を消費者に報告し、価格が39ドルの修正プログラムの販売を持ち出す。このソフトウェアは「Registry Cleaner XP」(レジストリをきれいにするXP)と名づけられており、誤った安心感を消費者に与えるだけだ、と当局関係者は言う。
これは「あからさまな消費者詐欺」だと、Rob McKennaワシントン州検事総長は記者会見で述べた。消費者は(コンピュータの)偽スキャンソフトをダウンロードするようにだまされ、そのうえ必要のないソフトウェアを購入するようにだまされた」と同氏は言う。
このポップアップ広告は「Windows Messenger」(Microsoftのインスタントメッセージングプログラムの「Windows Live messenger」とは異なるので注意されたい)と呼ばれる機能を悪用している。Windows Messengerを利用して、ネットワーク管理者はネットワーク上のWindows PCにアラートを送信できる。MicrosoftのInternet Safety Enforcement Teamの上席弁護士のRichard Boscovich氏によれば、この機能は「Windows XP Service Pack 2」では無効に設定されるようになったという。
このメッセージは頻繁に繰り返し表示され、1つのIPアドレスが200件以上のメッセージを1日で受け取ると、訴状に申し立てられている。
不当表示、嫌がらせ、高圧的なセールスの申し立てを含むこの訴訟は、テキサスのAlpha RedとBranch Softwareの2社と両社のオーナーであるJames Reed McCreary氏を被告としている。コメントを求める電話に対しMcCreary氏の回答はなかった。
Microsoftは5つの新しい訴訟をおこし、「SMP Soft」と「Registry Update」に対する2つの訴状を修正した。これら全ては消費者のコンピュータに問題があると偽り、ソフトウェアの修正プログラムの販売を持ちかけたとされる。訴えられたプログラムには「Scan & Repair」「Antivirus 2009」「MalwareCore」「WinDefenderXPDefender.com」「WinSpywareProtect」がリストアップされている。捜査当局ではプログラムの背後に隠れている人物を特定できていないため、多くの被告が仮名の「John Doe」とされている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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