Googleは米国時間8月27日、著作権所有者が、海賊版クリップを削除する代わりに、YouTubeの著作権フィルタを使って、広告収入を得ることを選択していると発表した。
2007年末、Googleは、無許可のビデオを追跡する「Video ID」と呼ばれる著作権識別システムを導入した。これにより著作権所有者は、クリップを遮断するか、そのままにするか、YouTubeがその素材に対する広告を販売するかを選択できる。
Googleは8月27日の同社ブログで、無許可のクリップのうち90%に相当する著作権所有者たちは、広告収入を得ることを選択していると述べた。
「(300以上の)Video IDパートナーにとって、著作権所有者が彼らの大ファンの人たちの創造性を認めるような枠組みが、Googleのテクノロジによって作られたことは明らかである。これらのパートナーはこれまでにない方法で、コンテンツをオンラインで配信、宣伝できる」(Google)
これらの統計データは明らかに、YouTubeが著作権所有者に金銭的な被害を与えているという主張に対抗するために利用できる。Viacomは、ユーザーに著作権侵害を奨励しているとして、GoogleとYouTubeに対して10億ドルの訴訟を起こした。
Googleは、賢明なメディア企業の大半はYouTubeと争わないことに決めていると、つねに述べている。同社はインターネット最大のビデオ共有サイトであるYouTubeと協力して、番組を宣伝し、広告収入を上げようとしている。
しかし、ここに最も興味をそそる話がある。海賊版ビデオから収入を得ることは、著作権所有者を道徳的なジレンマに陥れる可能性がある。大手メディア企業の関係者は最近、幹部がまさにこの問題について議論していると語った。複数の新興企業が現在、インターネットにある無許可のビデオを追跡し、それらのクリップに広告を挿入するテクノロジに取り組んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」