Appleが、iPhoneで動作する「キルスイッチ」を開発しているとのうわさは、まだだれもその実態を正確に把握していないにもかかわらず、多大の悲観的な反響を呼んでいる。
iPhone AtlasでBen Wilsonが記しているように、iPhone向けアプリケーションなどを独自に開発するソフトウェアエンジニアのJonathan Zdziarski氏は、「iPhone 2.0」ソフトウェアの内部を精査しながら、毎回「悪意のある」アプリケーションのリストをダウンロードさせるURLの存在を、このほど突き止めた。この詳細を深刻に受け止め、Appleがリモートで、気に入らないiPhone向けアプリケーションを使用不能にする用意を整えていることの証拠であるとの情報も、いち早く出回っている。
このブラックリストをAppleが使う可能性のある、さまざまな分野について考える前に、そもそもわれわれは、これが実際のところは、どのように動作するかに関し、まったく明確なことは理解できていないという点を忘れないようにしよう。Zdziarski氏は、米国時間8月7日午前に電子メールで回答して、「よく分かっていることといえば、iPhoneが、悪意のあるURLリストをダウンロードするという点のみである。この情報だけだと、まるで第3次世界大戦のようなものさえ引き起こしかねないし、ただ数台のコンピュータが、どこかでバターミルクパンケーキのレシピを吐き出すことになるだけかもしれない」と記している。
Appleが何をしようとしているのか、いくつかの可能性が存在する。その1つは、Appleが、当初は審査プロセスを通過したものの、不適切であったり、害を及ぼしたりする危険性があったりすると判明したアプリケーションに関し、リコールの通知のようなものを出すために、この機能が用いられる可能性である。
Appleは、iPhone向けアプリケーションの開発者に対して、後ほど追跡できるように登録を要求しており、どのアプリケーションも、App Storeを通してiPhoneへ配布される前に、綿密な審査を通過しなければならない。しかしながら、開発者が審査の網をくぐり抜け、悪意のあるアプリケーションを作成したことに、後ほどAppleが気づき、その登録を取り消すことが必要になったとしても、そのアプリケーションの新たなインストールを防ぐ以外のことはできないはずだ。すでにそのアプリケーションをダウンロードしてしまったユーザーを助けることは、まったくできないかもしれないが、もし初期段階での品質管理プロセスが失敗に終わったとしても、リコールを通知したり(返金を行ったり)することで、かなり助けになれるかもしれない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス