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「アッカの株価は不当に安いと思っている」--イー・アクセス、アッカを子会社化

坂本純子(編集部)2008年07月31日 21時57分
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 アッカ・ネットワークスとイー・アクセスは7月31日、両社の取締役会で承認を経て、事業統合に向けた戦略的業務・資本提携について合意したと発表した。

 これに伴い、アッカはイー・アクセスに対して普通株式6万1790株の第三者割当増資をする。実施後のイー・アクセスが保有する議決権の割合はアッカの総議決権数の約45.3%となり、アッカはイー・アクセスの連結子会社となる見込み。

 具体的には、(1)イー・アクセスの所有するDSL設備をアッカに譲渡、(2)イー・アクセスのモデムレンタルや端末物流、カスタマーサポートの業務をアッカに委託。両社業務・運用の統合による効率化推進による、両者の企業価値を向上、(3)資本提携、主にこの3点によって、両社はグループでの事業効率化を目指す。

業務・資本提携のメリット 業務・資本提携のメリット

 DSL市場において、アッカのシェアは7.5%。イー・アクセスは14.6%となっている。両者を合わせれば22%で、NTT東日本と西日本を別の事業者とした場合はYahoo BBに続く業界第2位に躍進できるとしている。「今後の固定・モバイルビジネスにおいて大きなアドバンテージになることは自明。DSL市場は今後も残っていくもの。シェアの30%を目指す」(須山氏)と語った。

 業務提携により、今後5年間でアッカの売上を140億円押し上げるほか、アッカに約60億円、イー・アクセスに約10億円のコスト削減効果が生ずる見込みだ。

 なお、アッカの社名やブランド、経営体制、従業員、事業基盤を現行どおり維持することで合意しているとしており、アッカの経営陣は留任。新たに過半数の取締役をイー・アクセスより迎え入れる。

イー・アクセス 代表取締役社長の深田浩仁氏(左)とアッカ・ネットワークス代表取締役社長の須山 勇氏(右) イー・アクセス 代表取締役社長の深田浩仁氏(左)とアッカ・ネットワークス代表取締役社長の須山 勇氏(右)

 今回の提携は、アッカ・ネットワークス代表取締役社長の須山 勇氏とイー・アクセス 代表取締役社長の深田浩仁氏が2カ月間にわたって交渉し決まったものだという。

 須山氏はアッカの技術・オペレーション部門の責任者を経て今年2月に社長に就任。深田氏もまた技術本部長、WiMAX推進室長などを経てきた技術系の出身者だ。須山氏は「ADSLの部分において統合強化ができないかと持ちかけた」と明かし、深田氏は「事情をつまびらかにしていく中で非常に納得できる議論ができた。短い議論で速やかに、結実させることができたと思っている」と前向きな協業だと強調した。

 2008年2月、アッカの経営不振により筆頭株主のイー・アクセスから経営陣の刷新を求められていた同社は社長交代を行い新経営陣で取り組んできた

 イー・アクセス代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏は、経営陣の刷新を機に変化が起きたと明かす。

 「これまでの経営陣にくらべて、会社経営に前向きに取り組み、深田と須山さんの個人的なシナジー、メンタリティもポジティブになった。実際に、いくつかのプロポーザルが出てきたが、須山チームと深田チームははるかにいいものを築き上げてきた。これなら、話し合いが率直にできるのではないか。純投資から提携を伴うような増資に変えていったらいいのではないか、と思うようになった」(千本氏)。

 もともと、アッカとイー・アクセスは、DSLサービスのISPへのホールセールという共通のビジネスモデルを展開しており、経営構造が似ていたという。

 「競争していること自体が双方にとってメリットがないだろうと思った。アッカの事業パフォーマンスを理解しているのは、イー・アクセスの経営陣。アッカのポテンシャルに対して市場は不当に安く見ている。本来あるべき株価よりもはるかに安いから、いずれこの株価は戻ると思っていた。私の読みが甘かったと思うが、さらに株価は私の期待に反して下落傾向が続いた。買ったのは20数万円のころでそれでも安いと思っていたが、10万円にまで落ち込んだ。今でも、不当に安いと思っている」(千本氏)と強調した。

業務・資本提携におけるタイムテーブルは下記のとおり。

  • 2008年7月31日 両者取締役会議、業務・資本提携契締結
  • 2008年8月15日(予定) アッカによる第三者割当増資の払込完了
  • 2008年9月 1日(予定) アッカへのDSL設備譲渡
  • 2008年10月1日(予定) アッカ臨時株主総会の開催。イー・アクセスからの取締役候補迎え入れ
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