実際、Wilson氏本人にとって、この特性は便利かもしれない。彼の仕事場は、さまざまな表面を持つコンピュータ設計であふれているが、話すことができるのはその一部だけだ。それにもかかわらず、彼は親切にもわたしを仕事場に入らせてくれ、いくつかの興味深い試作品について、まだ公表できる段階にないと述べた。
その他の用途としては、ビデオ会議、マッピングが考えられる。Sphereの録画済みデモの1つでは、Sphereが3Dで街頭の風景をレンダリングし、ユーザーがSphereにタッチして、その風景をドライブする様子が披露されている。3Dの世界を外部から見ることになるため、3Dの世界に入るのとは逆の発想だが、非常に興味深い用途だ。Wilson氏はすでに、「Virtual Earth」チームに協力拡大を呼びかけている。
ビデオ会議については、Microsoftにはすでに「RingCam」という名前で知られている360度カメラがあるため、Sphereを使えばおもしろい表示ができるだろう。
しかし、このような製品の利用の可能性を次々と挙げることはできても、球体コンピュータが次の主流になるとは思わないと、Wilson氏は述べている。
「私たちが球体コンピュータに関心を持ったのは、球体コンピュータには非常に独特な特性があり、これまで誰もこれほどの研究をしていなかったからだ。もちろん、球体コンピュータを製品化する計画はなく、Surfaceから派生したさまざまなフォームファクタを研究する活動の1つに過ぎない」(Wilson氏)
そして、Microsoftの研究は球体以外にも応用されているとWilson氏は述べた。
「球体コンピュータは本当に楽しいプロジェクトで、ほかのフォームファクタについても考えるようになった。平面以外の表面について考える上で自信になり、レンダリングパイプラインの再考は、私たちが技術研究で得た意義あるものの1つとなった」(Wilson氏)
球体に本格的に取り組み始めたのは約1年前のことだった。Wilson氏の直属の部下で研究者のHrvoje Benko氏は、Global Imaginationのデモ装置がWilson氏の研究室に置かれているのを見た。
「研究室に入ってきたBenkoは、すぐにこれに気づいて、動かし始めた」(Wilson氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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