大方の投資家は、純利益が35%増を記録したと聞けば喜ぶかもしれないが、これがGoogleの話で、広告市場での成長が鈍化し、予測を下回る決算報告の発表に終わるならば、反応も異なってくる。Googleは米国時間7月17日、第2四半期決算(2008年4月-6月期)を発表した。
要約すると、Googleの純利益は、前年同期比35%増となる12億5000万ドルとなった。しかしながら、非GAAPベースでの1株あたりの利益は4.63ドルとなり、Thomson Reutersの調査で明らかになっていた、アナリストの示す4.74ドルの予測値を下回った。売上高は、39%増となる、1株あたり5.37ドルを記録している。14億7000万ドルに上るトラフィック獲得コスト(コンテンツパートナーに支払う手数料)を除いた売上高は、38億8000万ドルであった。アナリストは、トラフィック獲得コストを除く売上高を、39億ドルと見積もっていた。
最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏は「通常のサイクルでは低調な第2四半期に、われわれが好業績ととらえる結果を残せたことが、非常に満足である。不確かな経済情勢にもかかわらず、トラフィックおよび売上高の両面で好調を保てた」と述べている。
また、Schmidt氏は「Yahooとの提携は、明らかに画期的な出来事である」と語りつつ、以前にも発表されたコメントを繰り返しながら、「この広告分野での提携により、Yahooが独立企業として存在し続けることが可能となり、これは業界全体にとっても勝利であると確信している」と付け加えた。
まもなく辞職する最高財務責任者(CFO)George Reyes氏は、最大の支出額は、Googleのデータセンターに充てられたことを明らかにした。資本経費の総額は6億9800万ドルとなっている。やや雇用面での成長速度は鈍っており、わずかに448名増加の1万9604名の社員数にとどまっている。
チーフエコノミストのHal Varian氏は「経済の弱さという問題にもかかわらず、大部分のセクターで、広告の売り上げは良好な状態を維持したようである」と述べた。不動産関連広告の売り上げが、最も伸び悩んだ。
共同創設者であるSergey Brin氏は「われわれはインデックスサイズを大幅に増やした。数分ごとに更新するインデックスが驚異的な成長を遂げ、より広範囲のソースから、より高速で新しい検索結果を、ユーザーが入手できるようになった」と語っている。
また、Brin氏は「AdSenseに関しては、現在はサードパーティーの広告が出されるようにもなっている。これは、多くの広告主にとって重要なことである。サードパーティー広告がサポートされるようになったため、Lenovoも広告を出すようになった」と述べた。
だが、いよいよ問題の核心にも触れるとしよう。Brin氏は、広告付きの検索結果が分散する「カバレッジ」を、どれほど削減するかに関しては、Googleが再考中であることを明らかにした。Googleは一般に、検索ユーザーがクリックしようとしない、低クオリティの広告を減らし、カバレッジの削減を試みるものの、それは行き過ぎであった感もあると、Brin氏は語っている。
「カバレッジの削減において、少々われわれは第2四半期に強引になりすぎたことを示唆する証拠も出てきている。これまでの経緯では(中略)カバレッジの削減と同時に、利益率の改善も図られてきた。広告なしで終わってしまうような事態は避けたいので、これは明らかに、いつまでも無制限に取るべき理想的な戦略であったりはしない。クオリティの観点からすると、広告は、われわれのページを意義深く補強する存在でもある」と、Brin氏は説明した。
Schmidt氏は、YouTube人気から売り上げを生み出すことが緊急に求められていることについて、「われわれは、YouTubeには非常に満足している。文化的な意義やエンドユーザーの成功は、われわれの予想を著しく上回る、大成功となった。われわれは売り上げの課題と、新たな(広告)製品の開発に取り組んでいる。まだ私は個人的には、完全なYouTubeの広告(メカニズム)が発明されたとは思っていない。ただ動画内広告がスタートしたくらいである」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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