米国時間4月18日、Googleの株価が1日の上げ幅としても上げ率としても過去最高となった。
同日、Google株は17日の終値に比べ89.87ドル高い539.41ドルで引けた。Googleは17日の取引終了後、アナリスト予想を大幅に上回る第1四半期決算を発表した。
Google株は18日の取引時間中に一時前日比21%高の545.11ドルまで買われたが、その後やや値を下げた。
アナリストらによると、前回Google株が今回のような驚異的な急騰を見せたのは2004年10月22日で、その日は1日で15%も上昇したという。同日、Googleの株価は前日の149.38ドルから172.43ドルへと急騰した。
2004年10月の急騰の原因は、Googleが株式公開会社として行った初の決算発表だった。新規株式公開企業は例外なく、最初の決算発表を特に気にする。というのも、最初の決算で減収減益となれば、その後かなりの長期に渡り、投資家のペナルティボックス行きとなる怖れがあるためだ。
投資家らは、Googleが17日に低い数字を発表するのではないかと懸念していた。というのは、Googleのペイドクリックやトラフィックを監視している調査会社が、今後の暗い見通しを示したためだ。
調査会社ComScoreはGoogleの決算発表に先駆け、第1四半期の米国におけるGoogleのペイドクリック数は、前年同期比わずか1.8%増だったと発表した。この発表を聞いた投資家らは、Googleの成長が鈍化しているのでは、との不安を感じた。
しかし、Collins StewartのアナリストSandeep Aggarwal氏によると、実際には、第1四半期のGoogleのペイドクリック数は米国内で10%、全世界で20%それぞれ増加したという。
Wall Street Journalの記事によると、ComScoreの株価は、Googleの第1四半期決算発表後の営業時間後取引で8%下落したという。しかし、18日の前場で同社の株価はほぼ急落前の水準まで戻した。
ComScoreの社員はあるブログの書き込みの中で、同社が示した数字とGoogleの発表との間に差が生じた理由について、ComScoreは米国内の有料検索クリック数のみを集計したのに対し、Googleが示した数字には米国以外でのクリック数だけでなく、「アフィリエイトサイト広告」まで含まれていたからだと説明している。
一方、アナリストらは18日朝、修正したGoogleの売上、利益予測の発表に追われた。
例えば、Citigroup Global Marketsのアナリスト、Mark Mahaney氏は、Googleの2008年の売上予測を当初の156億ドルから約160億ドルまで引き上げた。Mahaney氏はさらに、利益予測を1株当たり16.17ドルから16.80ドルへと上方修正した。
またStanford Groupのアナリスト、Clayton Moran氏も、2008年のGoogleの1株当たり利益予測を19.50ドルから20.63ドルまで引き上げている。
Googleが予想を上回る好決算を発表し、ウォール街でも同社についての予測が上方修正されているにも関わらず、アナリストらは警告を発している。
Mahaney氏はリサーチノートの中で、「われわれは依然として、ペイドクリックの減速率について憂慮している」と述べた上で、「(しかし)一方で、クリック単価は依然として高い伸びを示している」と付け加えている。
またMoran氏もGoogle自体の成長率について懸念を示した。
Moran氏は自身のリサーチノートの中で、「17日に発表された決算は、トレンドが著しく悪化していないという安心感をもたらしたが、成長は鈍化しており、利幅にも圧力がかかっている」とし、「そのため、われわれはやや慎重な見方を維持し、レーティングを『中立』とした」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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