Googleはどうやら、2通り以上の意味でクリーンな状態を保とうと決めたようだ。
Googleは、トップページをマイナーチェンジして、著作権表示の行に「Privacy Center」へのリンクを追加した。Googleが米国時間7月3日午後、同社の公式ブログと「Google Public Policy Blog」で明らかにしたところによると、今回の決定は、同社のプライバシーポリシー掲載に関する非難を鎮める試みだという。
その試みは成功した。
電子プライバシー情報センター(EPIC)でエグゼクティブディレクターを務めるMarc Rotenberg氏は7月5日、EPICはこの決定を「歓迎する」と述べた。
「これは、(Googleが本拠を置く)カリフォルニア州の州法で義務づけられているだけでなく、商用ウェブサイトがとる標準的な措置でもある」と、Rotenberg氏は電子メールで述べた。
EPICは、プライバシー保護団体Privacy Rights ClearinghouseとWorld Privacy Forumの両方に参加して、Googleにポリシーを変えさせる取り組みを主導してきた。
World Privacy Forumのエグゼクティブディレクターを務めるPam Dixon氏も、Googleの決定を歓迎している。
「プライバシーポリシーは、プライバシー対策を完全に行っているという証明にはならないが、消費者にとってはやはり重要なツールだ」と、Dixon氏は7月5日に電子メールで述べた。Dixon氏はさらに、そうしたリンクは「消費者からの期待が高まっていたもので、提供されてしかるべき標準的な措置だ」と付け加えた。
Googleがこの発表を行ったタイミング(米独立記念日の連休を控えた7月3日の午後)に、何らかの意図を疑う人もいるかもしれない。しかしRotenberg氏は次のように指摘した。「(EPICは)カリフォルニア州法における警告から30日後のタイムリミットに関心が集まるよう支援した。われわれは、書簡を送付してから文字通り30まで日にちを数えた。そして31日目が訪れ、Googleはリンクを追加した」
New York Timesの記者、Saul Hansell氏は、まず2008年5月にこの問題を取り上げ、Googleがトップページにプライバシーポリシーへのリンクを置いていないのはカリフォルニア州法違反ではないか、との疑問を提起した。
複数のプライバシー擁護団体がすぐさまこの議論に加わり、Googleに6月3日、公式の書簡(PDF)を送付した。これに対しGoogleは、何ら違法なことはしていないと主張した。
発表してからすぐ連休の週末に入ったため、Googleのマイナーチェンジに対する反応は、いくぶんまばらだった。世間の反応を見ると、ブログ界からは、これはプライバシーポリシーに直接リンクされていないので問題の解決にはならない、とする意見が少なくとも1件提出されている。そのほか、そもそもプライバシーリンクの議論自体がばかげていると結論づけているブログもある。
ところで、Googleと競合するMicrosoft、Yahoo、AOL、Ask.comはすべて、トップページにプライバシーポリシーへのリンクを置いている。
この件に関する補足を2点挙げておこう。まず、GoogleのバイスプレジデントMarissa Mayer氏は、公式ブログで、Google創設者のLarry Page氏とSergey Brin氏から、たとえ修正を加えてもトップページに置く語は28語に保ち、すっきりしていることで有名な同社のトップページをクリーンなままにするよう要求があったことを明らかにした。そのため、同社は著作権表示の行から「Google」を取り除き、これを「Privacy」に置き換えたという。もう1つ、Mayer氏のブログ記事のタイトル「What comes next in this series? 13, 33, 53, 61, 37, 28...」(この数列で次に来る数字は何? 13、33、53、61、37、28……)もひどく謎めいている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」