UPDATE カリフォルニア州バーリンゲーム発--Googleは、あらゆるものを写し出すとの批判にさらされている、「Google Street View」のデジタルカメラ撮影に関するプライバシー問題に対応するため、顔をぼやけさせる技術のテストを開始した。
当地で開催されたWhere 2.0カンファレンスでのインタビューに対して、Google EarthおよびGoogle Maps担当ディレクターを務めるJohn Hanke氏は、同技術には、顔写真の同社画像データベースを検索後、その画像をぼかすコンピュータアルゴリズムが採用されていることを明らかにした。
Googleのブログ「Google LatLong」の発表によると、まず同社は、マンハッタンで同技術のテストを開始した。しかしながら、最終的には、もっと広範囲で同技術が採用されることになると、Hanke氏は語っている。
法規制および社会規範の両面からプライバシー問題と取り組むことは、困難ではあるものの、必要不可欠であると、Hanke氏は述べる。
「これは正当な問題である」と、Hanke氏は語る。同氏は、Street Viewが抱えるいくつかの問題は、GoogleがバードビューをGoogle Mapsに導入した時にも生じたものと似ていると説明した。一般市民や規制当局、さらにはGoogle自身が、この機能に対する不安を取り除くまでに時間を要したものの、「この種の問題は、議論することが必要である。われわれはそれを見守り、議論が出尽くすようにしていきたい」と、Hanke氏は述べた。
Street Viewは、単なる顔写真の問題以外でも、プライバシーの懸念を引き起こしている。中には、例えば自分の住む家が写し出されるのを嫌がる人もいる。だが、Googleが2007年5月にStreet Viewを開始した時からすれば、今では喧騒の多くは収まってきたようでもある、さらに、Blue Dasherを始めとする他の企業も、確かに同種の技術開発に取り組んでいる。
Street Viewは、道路に立っているときの目線の高さから、何十もの米国の都市部の様子を写し出している(Street View画像を撮影するためのカメラに、ポリ袋をかぶせられない限りではあるが…)。Googleは、ミラノ、ローマ、パリなど、ヨーロッパの諸都市でも、詳細な3D地図とともに、画像の収集を開始したようである。
あるピッツバーグのカップルは、4月にプライベートなドライブに出かけた時、写真を撮られてしまったとしてGoogleを訴えたが、米国内においては、公道からの写真撮影は法的に認められている。だが、基準というのは千差万別である。
「個人のプライバシーに関する権利や肖像権の侵害を避けるため、表現や情報の自由の原則を尊重しつつ、公の場で発表してもよいものと、公共の行き過ぎた好奇心から保護されねばならないものとの間で、正当なバランスを取ることが必要となる」との見解を、在米フランス大使館は明らかにした。
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