「世界に出られるコンテンツは他にない」--元ドコモ夏野氏が語るニコニコ動画参画への思い

永井美智子(編集部)2008年07月04日 21時50分

 「これ以外、世界に出られるコンテンツは日本にない」――7月4日にドワンゴ顧問として就任した、元NTTドコモ執行役員の夏野剛氏が、同日開催されたニコニコ動画の新機能発表会に登場。自ら「ニコニコ動画の黒字化担当」と宣言し、参画にこめた思いを語った。

 夏野氏はかつてNTTドコモでiモードが海外展開を狙ったがうまくいかなかったことを挙げ、「ドコモは国内の通信免許しか持っていないなどの課題があった。インターネットには国境がないし、どこに出て行ったっていい」とネットサービスの制限のなさを利点として指摘。さらに、「IT業界を見ると、どの企業も世界に出られる力がない。でも、ニコニコ動画にはその力がある。会社の体制がやや整っていない感じはあるが」とし、海外でも通じる魅力あるサービスだとした。

 夏野氏とドワンゴの関係は古く、「1999年10月に『釣りバカ気分』という、iモードで初めての本格的なゲームをドワンゴが出したときに、面白いことを考えてくる会社だと思った。いろいろな会社の上場を手伝いしてきたが、多くの企業が上場してお金を持つと変わるのに、ドワンゴは変わらない。儲かったお金を赤字事業につぎ込む精神がいい。(NTTドコモとは)対極的な会社に来たと思ってせいせいしている」(夏野氏)と語った。

 なお、ニコニコ動画事業は赤字が続いており、黒字化が夏野氏の使命とのこと。「今期中の黒字化は無理。ただ、来期中には絶対やります」と宣言していた。

ドワンゴ顧問の夏野剛氏 夏野氏(中央)はドワンゴ代表取締役社長の小林宏氏(左)、ニワンゴ取締役の西村博之氏(右)とともにニコニコ動画への注力を誓っていた

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