リコメンドエンジンエンジンの開発、提供などをしているホットリンクが調査したところ、モバイルサイトにおいてリコメンドエンジンを導入した場合、コンテンツのダウンロード数が増えるほか、サイトの退会率が下がることがわかった。
ホットリンクは、モバイルコンテンツサイトを運営するモバイルファクトリーと共同で調査した。モバイルファクトリーが運営するHTMLメール(デコメ)素材ダウンロードサイト「デコりん」において、ホットリンクのリコメンドエンジン「レコナイズforモバイル」を導入し、サイト利用者の行動履歴に基づいてサイトの表示を変えたり、デコメ素材を推薦したりした。
調査は2007年11月から2008年5月31日まで行われ、そのうち2008年2月1日から4月30日の間のみリコメンドエンジンを導入した。上記の効果指標の数値については、バレンタインデーなどの季節イベントがなく変動の少ない1月後半と3月後半の1週間を比較した。
具体的には、まず、サイトトップページにおいて、ユーザーの行動パターンに合わせてメニューの並び順を変更した。また、ユーザーの閲覧履歴から好みを推測して気に入ると思われるデコメ素材を勧めた。さらに、デコメ素材のダウンロード完了ページにおいて、同じデコメ素材を利用した人がほかに利用しているデコメ素材を推薦した。
その結果、以下の4点で利用の増加が見られたという。
まずコンバージョン率については、リコメンドエンジン導入前の1月25日から31日では平均1.89%だったが、導入後の3月25日から31日には2.22%へと増加した。ユーザーが欲しいデコメ画像へ到達しやすくなったことが原因ではないかとホットリンクでは分析している。
1人当たりのダウンロードコンテンツ数については、平均数が6.87個から11.11個に伸びた。ユーザーが自分で見付けられなかったデコメ画像を推薦されることで、数が伸びたという。
ユーザーのサイト滞在時間は9分27秒から9分49秒へわずかながら延びた。ユーザーが求めるコンテンツを簡単に見つけられるようになり、好奇心を刺激されてサイトで遊ぶ時間が長くなったと考えられるとのことだ。
月間退会率については、20.09%から16.75%に減少した。ホットリンクによれば、デコメの利用率が高いユーザーほどサービス利用期間が長い傾向があるという。リコメンドエンジンの導入でユーザーの利用率が上がり、結果として退会率が低下したと推測している。
なお、デコりんではリコメンドエンジンの利用をやめた後、上記の効果指標がリコメンドエンジン導入以前、もしくはそれ以下の水準まで戻ったとのことだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス