メール配信システムを手がけるエイケア・システムズは6月23日、携帯電話のメール機能のみで利用できるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「ザブトン」のベータ版を公開した。デコメと呼ばれるHTMLメールを利用し、モバイルサイトと同等の使い勝手を実現した。
ほかの会員とのやりとりや、表示するアバターの変更などをすべてメールベースで実現した点が最大の特徴だ。利用者は入会すると自分のアバターが描かれたHTMLメールが送られてくる。そのメールをもとに、アバターの表情や洋服などを変更したり、コメントを書き込んだりする。
例えば、アバターの髪型を変える場合には、「髪型チェ〜ンジ!」というリンクをクリックすると、専用のメールアドレス宛てにメールを送信する。数秒後、別の髪型をしたアバターの画像がメールで送られてくる。
ほかのユーザーとコミュニケーションする方法は2つ。1つは、ザブトン側が選んだランダムな複数の相手にメッセージを送るもの、もう1つが「ザブとも」と呼ばれる友だちに直接メッセージを送るものだ。いずれの場合も、ザブトンが設定した専用メールアドレスを使うため、相手に自分のメールアドレスが知られることはない。
前者の場合、会員の中からそのユーザーに対して興味を持つ可能性の高い人をザブトンが選んで自動的に配信する。メールを受け取ったユーザーは、興味がある内容であればメール内から「返信する」をクリックし、会話することが可能だ。メール本文に文章を書いて送信すると、ほかの人には自分のアバターが喋っているようなデコメが届く。なお、コメントの一覧はメール下に表示され、会話の履歴を追えるようにした。
ザブトンでは過去の全ユーザーのメール返信履歴をもとに、そのユーザーと興味関心が近そうなユーザーを選び出す。ここには、ゼロスタートコミュニケーションズが開発したリコメンドエンジンを使っている。
ゼロスタートコミュニケーションズ専務取締役 営業部インターネットサービスグループの伊地知晋一氏によると、「(メールが自動的に送られてくるため)自分から探し回らなくても、相性の合う人とつながることができる」というのが利点とのことだ。
当初、同時にメールが送られるユーザーの数は最大5人だが、ユーザーの利用度合いに応じて増えるという。具体的には、自分が送信したメールに対して返信が多いとレベルがあがり、そのレベルに応じて配信相手の数が増える。このほか、レベルが上がるとアバターが座っている座布団の絵や使えるアバターの種類が増えるとのことだ。逆に、メールを送って2日間返信がないとレベルが下がっていく仕組みも取り入れた。
ザブともについては、気に入った相手に「ザブともになる」と申請して承認されれば、直接メッセージを交換できるというものだ。
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