グーグルの企業向けコンピューティング構想--クラウドにおける4つの追い風

文:Mike Ricciuti(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル、編集部
2008年06月16日 07時00分

 ボストン発--Googleは、エンタープライズのトレンドはクラウドコンピューティングであると見て、分け前にあずかろうと考えている。

 Googleエンタープライズ製品担当マネージャー、Rishi Chandra氏は、「次の10年の革新はクラウドで起こるだろう。エンタープライズソフトウェアが姿を消すことはないだろうが、変化が起こっている」と述べている。

 当地で開催の「Enterprise 2.0」カンファレンスで講演したChandra氏は、Googleが今後、より多くの企業顧客を獲得しようとしている理由について、自説を展開した。最も重要な点は、個人ユーザー市場でのGoogleの強みであり、ゆくゆくはビジネスコンピューティングにおける拠点になるだろうと、Chandra氏は述べている。

 「クラウドの時代が到来している。問題はいつになるかではなく、どのくらい速く到来するかということだ。Googleは『Google Apps』に取り組んでいる」(Chandra氏)

 Chandra氏は、Microsoft、Amazon.com、Salesforce.comなどの大手企業が、既存の業務用システムと同じ信頼性、安全性を持つビジネスアプリケーションをウェブで提供するという同じ市場に集結してきていることを認識している。

 Chandra氏はMicrosoftとの競争を重要視していない。「Microsoftとはライバルだが、競争しようとは思っていない。Googleは、アプリケーション、新しいアプリケーションの使い方を市場に投入しようとしている。Googleが焦点を当てているのはエンドユーザーだ」とChandra氏は述べている。

 もちろん、Microsoftにもクラウドをベースにした独自のプランがある。チーフソフトウェアアーキテクトのRay Ozzie氏が最も心配しているのはオープンソースかもしれないが、明らかに、彼はGoogleのさらに大きな野望を気にかけている。Microsoftは「Live Mesh」でクラウドコンピューティングプランの一部について論じた。2008年中にさらに詳しい内容が明らかになるだろう。

 Chandra氏は、業界の4つのトレンドがGoogleの強みを後押ししていると述べている。Chandra氏によれば、第1に、Googleは技術革新を推し進めているのは個人ユーザー市場だと見ている。個人ユーザーの世界はエンタープライズの世界よりも「ダーウィンの進化論」に沿った世界だ。ユーザーは劣った製品で我慢しようとはしない。「個人ユーザーの世界では、乗り換えにコストはかからない。個人ユーザーの世界の何億人ものテスターがエンタープライズ市場を手助けしている。そのため、個人ユーザーはエンタープライズの世界よりも優れたテクノロジを手に入れている。インスタントメッセージング(IM)、検索、VoIPはすべて、個人ユーザーの世界に基盤を持っている」(Chandra氏)

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]