サイトを選択する際に常に頭を悩ますのが予算の配分です。どのメディアサイトにどれだけのコストを投下すれば最適であるのか。1つのサイトに多くのコストを投下すれば、無限では無い予算ですから当然その分選べるサイト数は減少し、リーチの限界が決まってきます。他方、1つのサイトに掛けるコストが少ない場合、十分な投下量が得られるかが不安視されます。
各サイトの広告出稿に対してユニークユーザー数が得られ、かつ選択されたサイトの重複を除いたユニークユーザーを得ることができれば、リーチの観点から使用サイト数、サイト毎に必要な投下量がある程度算出できますが、現実的にはそのようなデータは特別にトラッキングを行わない限り得ることが非常に難しくなっています(これについては第2部トラッキングとベンチマーキングにて詳細をお話しします)。
そのため多くの場合は、先述の優先順位と各サイトの最適投下量をベースに予算配分を決定していくことになります。
しかしながら、実際のプランニングにおいて、機械的に割り振るだけではベストなプランとはなかなかなりません。広告メニュー(スペース、期間単位、ボリューム)や広告の値付けが非常に多様で、変動要素が大きいためです。
大きなコスト差も往々にしてある中で、高コストになっている媒体社側からの視点を理解した上で、キャンペーン目的に応じサイト内での代替メニューを見つける、コスト効率レベルが適正となるまで価格交渉を行う(もちろん基準コストは効率の良い方に合わしていくこととなります)ことなどにより、現実的で最適なプランに落とし込んでいくわけです。
ご存じのとおり、インターネットメディアは他メディアと比較し多種な広告手法が存在します。バナー、リッチメディア、テキスト、メールマガジン広告、オプトインメール、タイアップ広告、スポンサーシップ広告などなど。
またバナー広告だけでもGIF、フラッシュ、ビデオなどいくつかの手法が存在します。キャンペーンクリエイティブのフォーマットが決定している場合、それに従う形で広告手法を求めますが、決まっていない場合はキャンペーン意図によって選択をします。
例えば認知度アップキャンペーンの場合はビジュアルを見せることに重きを置くためリッチメディア型広告を利用したり、バナー広告でも大型のバナースペースを利用したりします。
Drive to Web(サイトへの誘引)やユーザーリスト獲得を重視したキャンペーンであればユーザーとの接触機会をなるべく多く得るためにテキスト型広告による大量露出を行うなど、サーチのようにユーザーにピンポイントでコミュニケーションできる広告手法を選択します。
各サイトへのインサーションタイミングというものも非常に重要となります。オフラインメディアも展開予定がある場合にはそれぞれのメディア開始日に応じてインターネット広告も展開することが重要です。もしインターネットのみの広告キャンペーンであっても、キャンペーンプロモーションが行われるタイミングを確認し展開することが望まれるでしょう。
よくありがちな相談はサイトごとの展開です。多くの場合、メディアサイト側の広告スペースの空き具合の都合によって掲載時期がバラバラにずれることが多いですが、期間で売られることの多いインターネット広告では意図なしにバラバラに展開する意味はあまりありません。願わくば、展開時期は揃えた方が良いでしょう。
またキャンペーン開始時には広告露出を最大化する方法も一般的です。集中化することで、競合に対してSOVを高めることができ、結果としてターゲットインパクトとともに、早期に期待したプレゼンスを稼ぐことができます。効率良く広告露出を行っていくために広告露出の強弱をつけるのは非常に有効であるといえます。
最適投下量について記述した、「露出感」というものも考慮しながらシーズンプランを導き出すことが重要です。
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