サンフランシスコ発--Googleが携帯電話向けプラットフォーム「Android」に搭載する予定の、新しい機能の数々を披露した。「Google Maps」のStreet View機能の凝った使い方や、Appleの「iPhone」への搭載で知られるタッチスクリーン式インターフェースなどが含まれている。
米国時間5月28日に当地で開催されたカンファレンス「Google I/O」で講演に立ったAndroidのエンジニアリングディレクター、Steve Horowitz氏は、Android搭載の携帯電話の画面を指でフリック(軽く叩く動作)して、ホーム画面からさまざまな機能を披露して見せた。だが、さらに目を引いたのは、端末に内蔵された方位検知機能と加速度計を利用し、Street Viewの応用の可能性を見せるデモだった。
Horowitz氏がブラウザを使い、Street Viewによってサンフランシスコの街の風景を表示させ、身体の向きを変えると、その動きに合わせてStreet Viewの画面も左右に移動した。
そのほかにも、新着メールや受け損なった電話、スケジュールを表示できる、情報センター経由の通知サービス、画面上に表示された点と点を結ぶという特殊な操作による携帯電話のロック解除、Androidのデスクトップ上にブラウザや連絡先リストのショートカットを貼り付けられるオプション機能、それにナムコのゲーム「パックマン」なども実演された。
Androidは、Linuxカーネルをベースに、ソフトウェア実行用のJava仮想マシン技術を搭載する、という構成をとっている。Google自らも多くのアプリケーションを提供しているが、開発者に対しても、独自にアプリケーションを作るよう奨励している。Googleでは、Androidをユーザーが任意のソフトウェアをインストールできるオープンなシステムにしようと考えているが、携帯電話事業者がそのようなシステムを認めるかどうかはまだはっきりしない。
Androidはタッチスクリーン技術をサポートしているが、2本の指で画面上の写真をつまんで小さくするような操作が可能なマルチタッチ機能はまだサポートしていない。だが、携帯電話メーカーがマルチタッチ対応のタッチスクリーンを採用すればAndroidでも対応できると、Androidのプロジェクトリーダーを務めるAndy Rubin氏は講演後の記者会見で語った。
「ハードウェアメーカーがそうしたハードウェアを携帯電話に組み込み、ドライバを提供することを期待している」とRubin氏は語った。
ただし、Rubin氏はタッチスクリーンについて、Androidでも使えるが必要不可欠なものではないと述べ、「Steve(Horowitz氏)は、たとえトラックボールを使っていたとしても、今回のデモの内容をすべてお見せできただろう」と語った。
Androidを搭載した携帯電話の出荷時期については、Rubin氏は明らかにせず、2008年後半のうちに登場させるという、これまでの見解を繰り返しただけだった。「みなさんにステージでお見せしたものもなかなかの出来映えなのだが、間違いなく完璧なものにしたいとわれわれは考えているのだ」とRubin氏は述べた。
Rubin氏によれば、この日のデモで使用したAndroidは、ある匿名のメーカーが作ったUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式の携帯電話上で動かしたものだという。また、プロセッサにはQualcommの「MSM7201A」を搭載し、静電式のタッチスクリーンはSynaptics製だった。さらに、高速無線通信には3.6MbpsのHSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)方式を利用していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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