矢野経済研究所は5月21日、電子ペーパーディスプレイに関する調査結果を発表した。
発表によると、2007年の国内電子ペーパー市場規模は、数量ベースで前年対比105%の1億2100万枚、2008年度は前年対比113%の1億3700万枚、2010年度は前年対比252%の3億4600万枚、2012年度は前年対比141%の4億8700万枚と予測している。
また、金額ベースでは2007年度が前年対比119%の29億9700万円、2008年度が前年対比163%の48億7400万円、2010年度が前年対比745%の363億800万円、2012年度が前年対比195%の708億8200万円としている。
電子ペーパー市場はCO2排出量削減や省資源への取り組みから書籍やコピー用紙の代替として紙媒体の一部を担う可能性が高く、数量および金額ともに2010年度までは加速度的に拡大する可能性が高い。2010年度以降は増加率が減少するものの、順調に拡大する見込みだ。
電子ペーパーのアプリケーション別に課題および将来展望をみると、電子新聞は、若者の活字離れや少子化などにより発行部数の低下が懸念されている新聞社で関心が高いものの、従来の宅配のビジネスモデルを再考する点が課題となっている。
電子書籍は、2007年に米国でアマゾンが専用リーダー「Kindle」を発売したことが話題となった。コンテンツは約9万点で3Gデータ通信機能を搭載し、圏内であればPCとのケーブル接続や無線LANアクセスポイントを使わずに購入が可能。さらに料金面でも通信料金が発生しないなどの工夫がされていることから注目を集めている。
調査は2008年1月から5月にかけて、電子ペーパーデバイスベンダー、ソリューションベンダーなど合計14社を対象に直接面接取材および電話によるヒアリング取材したもの。
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