米国の大手ビデオゲームメーカーElectronic Arts(EA)は米国時間5月19日、Take-Two Interactive Softwareの買収に向けた株式公開買い付けの期限を6月中旬に延期すると発表した。EAがTake-Twoに対する敵対的買収案の期限を延期するのは今回で3度目だ。
EAがTake-Twoにとって魅力ある買収案の提示に失敗した直後に、Take-Twoの人気ゲーム「Grand Theft Auto IV」が発売後の売り上げ記録を次々と塗り替えた。そしてこの記録的な売り上げが、EAの提示額はTake-Twoの価値を過小評価しているとする同社会長Strauss Zelnick氏の主張を後押しした。
EAがこれまでにTake-Twoの株主から提供の確約を得ている株式数は、Take-Twoの発行済み株式総数の8%に当たるおよそ620万株だ。同社は当初、株式公開買い付けの期限を5月16日に設定していたが、6月16日に延期した。
Take-Two会長のZelnick氏は、EAに対する嫌味とも取れる次のような発言を行った。「今回の提案もEAが2008年3月13日にTake-Twoの株主に行った提案と同様に厳しい条件付きの提案だ。3月13日の提案では、われわれの取締役会が徹底的に検討した結果、不適切かつ株主の最大の利益に反するとの見解で一致した」
またZelnick氏によると、現在Take-Twoは株主価値の最大化に向けた取り組みを進めており、その一環として、Grand Theft Auto IVで記録的な発売後売り上げを達成した今、利害関係者との戦略的代替案を模索し始めたという。
EAは2月下旬にTake-Twoに対し総額20億ドルに上る敵対的買収案を提示した。同社は、期限を延長しても提示額は変更しないと述べている。
EAの企業開発担当シニアバイスプレジデントOwen Mahoney氏は声明で次のように述べている。「EAの提示額は、1株当たり25.74ドルで変わっていない。また、われわれの買収案は、規制当局の許可など複数の条件付きだ。先に述べた通り、われわれには、それらの条件が満たされない場合に買収提案を打ち切る権利がある」
19日午前のTake-Twoの株価は、前日比1.14%安の26.79ドルだった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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