米国のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「Facebook」が日本語化された。同じタイミングでFacebook創設者のMark Zuckerberg氏も来日し、都内で記者会見を開いた。会見で翻訳に関わったユーザーに感謝の気持ちを語った後、成田空港に向かう直前にCNET Japanのインタビューに応じてくれた。
日本のこと、mixiのこと、海外SNSが日本で勝負すること、そしてGoogleのこと--Facebookの若きリーダーが1つずつ答えてくれた。
初めてです。実は今回の来日は父と一緒なんです。というのも、父は10年くらい前ですけど、大学を卒業したときに友人と日本に来て、大変感銘を受けたという話を聞かされていました。
父と落ち合って少しだけ観光もしました。皇居も行きましたし、相撲も観戦しました。新宿をうろうろしましたし、原宿にも行きました。秋葉原は行っていないので、もう一度日本に戻ってこないといけないですね(笑)。本当に楽しかったです。日本は素晴らしいところだと思います。
いくつかあるんですが、実はここ1カ月はずっと出張続きで、いろいろな場所を転々としてきました。もちろん各国で新しいものを見たり、感じたりしたわけですが、たまたま今回の来日に際しては日本語の翻訳版Facebookを公開するというタイミングでしたので、じゃあ僕自身がお話させていただくのがいいのではないかということになりました。
なぜ僕らがFacebookというサイトを立ち上げたのか、また日本がどれだけ僕らにとって重要な市場なのかということを直接お話したくて、こういった機会を得ました。
日本には素晴らしい開発者の方々もいらっしゃいます。今晩(5月19日夜)、開発者の方々を交えて、Facebookのプラットフォーム上でどういったものを提供することができるのかなどを話し合う懇談会の場を設けます。
日本は世界の中でも重要な大国という位置づけでありますし、特に技術的な革新性には定評があると思っております。その中で情報を安心して共有していく土壌もあると思います。
ただ僕らが今回、日本語版Facebookを提供するのは事業ということではありません。事業としてどうこうしようということではなくて、あくまでも多くの方々が情報を共有するのをどうやってお手伝いできるかという観点から日本語化を検討していました。
ですからFacebookは、よりオープンで多様性のある情報を共有でき、安全な場を提供するための助けとなることを一番に目指しています。
その次は、Facebookにあるすべてのコンテンツを日本語で提供させていただくことになるかと思います。Facebook日本語版は、日本人の方によって翻訳されておりますので、馴染みのあるわかりやすい日本語になっていると思います。他の市場での展開を見てみますと、市場ごとに特色がありまして、市場ごとに求められているものが開発者の方々によって開発されています。
例えば、トルコはトルコ特有のゲームがオンライン化されていたり、ヨーロッパの国々ではスポーツが人気ですので、特にサッカーを主体としたさまざまなアプリケーションが提供されていたりしています。
日本もゆくゆくは同じような形になるでしょう。もっと申し上げますと、すでに日本の開発者の方がアプリケーションを開発しているという実例もあります。今夜開催するイベント「Facebook Developer Garage Tokyo」では、開発者の方々にFacebookの上に事業展開という形でアプリケーションを開発していただけるよう推奨していきます。
誰でもプラットフォームは利用することができますし、すでにWikiでは日本語化が進んでいると聞いています。日本人の方もそのまま使っていただくことが可能だと思います。
実際にmixiがどういったことをしようとしているのかは、僕にはわからないのでコメントしづらいのですが、1つだけはっきりと申し上げることができるのは、開発者向けプラットフォームを作り上げるのは技術的にも大変複雑で困難ですし、時間もかかるということです。
僕らも数年かけてプラットフォームを構築してきました。その中でいろいろな学びもありましたし、経験値も蓄えてきました。
mixiや他のサイトが真剣に、それだけの努力を投資する覚悟があるのかということによっても随分違ってくると思います。
ただ、いま見え得る限りの将来の展開においては、Facebookでできて、他のサイトでできないことが必ずあると思います。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」