NHKは5月13日、タッチパネル機能を搭載したインタラクティブ触覚ディスプレイを開発したと発表した。
データ放送画面のレイアウトに触れて情報を得たり、図やグラフなどの触れた位置の情報を、音声や点字で伝えられる触覚ディスプレイ。触覚ディスプレイは微小なピンの凹凸の集まりで、図形などの形状を表現することができる。
従来の触覚ディスプレイは、指が触れた位置を検出する方式が研究されてきたが、検出性能などが十分ではなかった。今回の方式では、指で触れた位置を高精度に検出できる光学式タッチパネルを触覚ディスプレイに適用することで、凹凸で表示された図やアイコンに対応する内容を音声や点字で出力したり、選択動作をガイドすることが可能なため、視覚に障害のある人への情報提示の可能性が広がる。
光学式タッチパネルによる指位置の検出方式は、指を検出するための特別なマーカーが不要で、表示面にセンサーを埋め込む必要もない。点字を読みながら選択ボタンを選んだり、触覚ディスプレイ上で通常の紙点字と同様に多数行で点字を表示することもできる。構造がシンプルなので安価に制作できるのも特徴。
今回の研究は、情報通信機構から受託した「視覚障害者向けマルチメディアブラウジング技術の研究開発」に、東京大学と共同で取り組んだもの。この装置は、5月22日から25日に開催する放送技術研究所の一般公開で展示する。
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