NHK、ワンセグで宝探しゲーム--“放送と通信の融合”の新たな方向性模索

 ワンセグNHKで、宝探しゲームに挑戦――。NHKでは、ワンセグデータ放送サービスの一環として、6月4日から放送・通信連携型ゲーム「モビトレジャー」の提供を開始した。NHK番組をワンセグで視聴しながら7つの鍵を集めると、宝箱が開いて財宝(デジタルコンテンツ)を獲得できるというサービス。対象はNHK総合の全番組。2週間ごとのリセットとなるが、スピードを競うルールではないため、暇な時間を使って楽しむことができる。

 ワンセグデータ放送は、ディスプレイ縦配置時に下部エリアで表示される静止画・文字情報などの放送サービス。ワンセグを実施するすべての放送局が採用しており、通常はニュース・天気予報、自局関連イベント情報、番組関連情報などが表示される、いわば“簡易型ケータイサイト”のようなもの。情報伝送には放送波・通信双方を使い分けており、一部の詳細情報などについてはパケット代が発生することもある。

 今回、NHKが投入するモビトレジャーは、放送・通信双方を活用した「融合型ケータイアプリゲーム」で、NHK番組視聴時に起動させるとその番組に埋め込まれたエンブレム(鍵)を探しだし、2週間以内に7種類を集めて宝箱を開く、というもの。鍵は全12種類。どの番組にどの鍵が隠されているかはわからないため、目当ての鍵を発見できないこともある。

 鍵を探す「トレジャーハンター」は4種類のキャラクターを用意。番組の種類や視聴時間帯、地域、また地域の天気予報などによって各キャラクターの「やる気」が変化するため、適したハンターを選択することも攻略の鍵となる。

NHK番組を広める効果も期待

 サービスについて、NHKは「放送・通信融合サービスを新たな視点から見た内容であり、より多くの方にNHK番組を知ってもらうこともできる内容」と説明する。ゲーム自体は放送内容とは独立したアプリケーションとなるが、鍵を探すためにはさまざまなNHK番組を視聴する必要があり、結果としてNHK番組を広めることにつながるというわけだ。

 一方で“脱力系の暇つぶしゲーム”と自ら評しているように、誰でも簡単に遊べる単純な内容となっていることもポイント。基本的には放送波で伝送されるゲームであるため、多少のパケット代は要するものの、月額料金やダウンロードコストはかからない。操作的にも「番組視聴中にデータ放送からゲームを起動するだけ」と単純で、難しいルール設定もない。まさに「『暇つぶし視聴』の傾向に目を向けた内容」(NHK編成局デジタルサービス部・田中寛氏)となっているわけだ。

 ともすれば「動画配信」に偏りがちな放送・通信融合サービスにおいて開発された極めて通信寄りの放送サービス。「まずは体験してもらって、さらにノウハウを高めていく」(同)ためにも、多くの参加者を期待しているという。

 提供企画原案とキャラクター設定は、ソフト開発会社のサンズが担当。データ放送制作ディレクションはNHKエンタープライズ21。

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