それでもオークションの値段がすでに560ドルを付けている事実は注目に値する。入札者はこれらのフォロワーを獲得したいと考えているようであり、オークションが終了して譲渡が実行されたらどうなるのか興味深い。
しかし当面の間はオークションが進行中であることから(4月22日までは終了しない)、Baron氏はTwitterアカウントの2日間のゲスト運営権を150ドルで販売するという広告をCraigslistに掲載している。
「あなたは本当にクリエイティブな人間であり、自分がオンライン文化で提供するべき多くのものを持っていると思うか。あなたはオンラインビデオ、ソーシャルネットワーク、ブログ投稿、テクノロジ、アート、デザインに興味があるか。もしそうなら、あなたにとって試しに何かを発言してみるまたとない機会かもしれない」とBaron氏はNew York Craigslistのサイトで書いている。
「わたしは自分のTwitterアカウントの2日間のゲスト運営権を最適なプロフィールを備えた人物に販売しようと考えている。わたしの同僚、友人やその他の人々に対して文化的、社会的に価値のある方法で利益を与えてくれる人を探している。ひょっとするとあなたには何かすごいビデオ、優れた音楽アルバム、他人に語りたくなるおもしろい話があるだろう。または世の中に広めたいと考えている偉大な主義主張を持っているかもしれない。もしくは改良を必要としているすばらしい製品を手にしていて、それに関心を示した有能な人物からなる優秀な頭脳集団を活用したいと思っているかもしれない」(Baron氏)
これはあまりに異様だ。いや、ある意味ではむしろおもしろいとも言えるし、同時に皮肉でもある。ブログをゲスト運営するというのは、もちろんよくある楽しみ方であるが、その権利枠を販売するというのはどうだろうか。しかも、そのアカウント自体がすっかり売りに出されているというのに。
なるほど、Baron氏ほどのパブリシティ活動の達人であれば、これもそれなりにメリットのある試みなのだろう。そして言うまでもなく、筆者もこうして記事を執筆することによってBaron氏の試みに一役買っているのだ。
ただし筆者はBaron氏個人に興味があるわけでは全くない。筆者の興味の対象はアイデンティティの持つ性質であり、アイデンティティがどの程度の価値を持つのか、そしてソーシャルネットワークのユーザー自身が、まるである製品の顧客がそれを買収した別会社の管理下に移転されるように、別の人の手に売り渡されることを喜んで納得するだろうかという点である。表面上は不快な態度を示すだろうと筆者は推測する。
しかし一方、Baron氏のTwitterのフォロワーたちはアカウントの買い手に対して一時的には好意的な態度を示し、その人物が何か価値のある発言をする人物かどうか見定めようとするに違いないとも思う。その通りの人物であればフォロワーたちはとどまるかもしれない。しかしそうでなければ去っていくだろうし、そんなに高い金を出してアカウントを買った人にはご愁傷さまと言いたい。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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