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「Google App Engine」の登場とPaaS--Web 2.5がもたらす変化

文:Dan Farber(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル、編集部
2008年04月10日 17時27分
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 定義しにくいWeb 3.0(単なるデータ、リンク、Ajaxよりもセマンティック、意味およびコンテクストに関係があるようだ)に向かう途上で、中核的なインフラストラクチャはエッジから中心部へと移動し始めている。そこには、Amazon、Salesforce.com、Joyent、そして新しい「App Engine」を擁するGoogleといった企業が生息する。

 これをWeb 2.5と呼ぼう。Web 2.5ではPaaS(platform-as-a-service)プロバイダーのおかげで、開発者はウェブアプリケーションをクラウド経由で作成し、ユーザーはそれらをいつでもどこでもウェブに接続した任意のデバイス上で消費することができる。つまり、これによってAmazonのJeff Bezos氏が「muck(泥仕事)」と呼ぶところの、サーバ、データベース、ストレージ、ネットワークの設定や保守といった無差別の重労働をしなくても済むようになるのだ。

「Google App Engine」

 また、Web 2.5ではAmazonやGoogleといった巨大プレーヤーのデータセンターが活用される。これらは信頼性が高く比較的低コストの、巨大な仮想化されたスケールでウェブアプリケーションをサポートするために徹底的に構築された。そして、PaaSのプロバイダーにとっては、巨大なサブスクリプションベースの売り上げの源泉を確保できる可能性がある。彼らは地球上にウェブサービスを提供し、高価値の個人プロフィールデータを管理するユーティリティ企業になるのだ。

 米国時間4月7日夜にカリフォルニア州マウンテンビューのGoogle本社で発表されたApp Engineは、Amazonの「EC2」「S3」「SimpleDB」サービスと似たような機能を提供する。Google App Engineで使用されるのはプログラミング言語のPythonとGoogle APIに限定され、ストレージの容量、コンピュートサイクル、1日の帯域幅も現在のところは比較的控えめであるが、これがどこに向かっているかは読者も理解できるだろう。

 Googleはその検索と広告の技術、市場の支配力、インフラを提供する優れた能力を活用し、外部で開発された何千万または何百万ものアプリケーションを実行させることによって、そこから利益を得る巨大なエンジンを作り上げることもできるかもしれない。

force.com 提供:salesforce.com

 Salesforce.comは今日、Force.comプラットフォームによってさらに成熟した例を提示している。Force.comプラットフォームでは、開発者は、Salesforce.comソフトウェアプラットフォームおよびデータセンターでネイティブに動作するさまざまな言語を使用して、主としてCRM指向のアプリケーションを作成することができる。

 これは多くの意味でMicrosoftのモデルである。自分のアプリケーションを実行するにはプラットフォームに対するサブスクリプション(かつての用語で言えばライセンス)が必要になる。この場合、「実行する」とはSalesforce.comが料金を徴収して開発者にすべてのソフトウェアとハードウェアのサービスを提供することを意味する。その場合、料金はウェブサービスを呼び出す回数などの具体的な基準に基づいて測定される。

 ライバルのNetSuiteBungee Labsなどのさらに小規模な企業は、完全にクラウドベースの開発と配備のプラットフォームサービスを提供するという概念に飛びつこうとしている。

 Microsoftはいまのところ、PaaSの領域で手の内を見せていない。また、Microsoftの興味の対象であるYahooも同様に動きを見せていない。Microsoftは「SQL Server Data Services」や壮大な同期メッシュについては語っているが、クラウドからアプリケーションを開発、提供するための、エンドツーエンドでホスティングされるPaaSについては何の計画も明かしていない。Mary Jo Foley氏はこの点について何らかの洞察を持っているようだ。

 Tim Berners-Lee氏によって構想されたWeb 3.0はまだ当分の間実現しそうにないが、急速に浸透しつつある。同時にPaaSも進化しており、Web 2.5も安定期を形成している。これら2つが融合されたときにWeb 3.0が到来したと言えるようになるのだろう。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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