ひろゆき氏が考える、ニコニコ動画と日本の目指すべき方向性とは - (page 2)

永井美智子(編集部)2008年03月17日 08時00分

――最初は西村さん自身がニコニコ動画のキラーコンテンツになっていましたよね。

 僕が前面に出ないようにいろんな人を前に出して、僕は何もやらなくて良くなったという、おいしいポジションをゲットしたんですけど(笑)

 元々僕がやっていた作業も、そんなにないですからね。会議で茶々入れたりとか、「それはこっち側にいくと失敗しますよ」とか「これはこうしたほうがいいですよ」というアドバイスをたまにする程度で。

――具体的には?

 たとえば、SMILEVIDEOを立ち上げたばかりの頃に、これは10万人くらいしか見られないからログイン制しかないよね、という話になって、ユーザーが10万人を超えたら登録できないようにしよう、という話だったんです。でも、そのまま登録させていって、徐々に利用できる人数を増やしていったほうがいいよ、という話をしたり。

 あとは、メディアにはなるべく出たほうがいいですよ、というアドバイスをしつつ、出る人がいなかったので仕方なく自分で出ていたというのはありますね。

 言葉でニコニコ動画を説明して面白いと思える人はあまりいないと思うんですよ。

「動画があって、文字がかけるんだよ」
「あ、そう」

っていう。そうすると、面白いと思ってる人を見せたほうがいい。Wiiの広告が近いと思うんですけど、Wiiってゲームの画面だけを見てても、グラフィックはしょぼいじゃないですか。でも、動いて楽しそうにしている人を見て、面白そうだなと思う。

 ただ別に僕、ニコニコ動画について面白そうに語っていたわけでもないと思うんですけどね(笑)。何かがきっかけでニコニコ動画を見てみようと思ってもらえればよくて、そのきっかけはメディアに誰かが出て説明するのでもいいし、ニコニコ動画で何かが流行していたりでもいい。2006年の1月ぐらいに僕の失踪騒ぎがあって、それについての話を動画で上げます、みたいなしょぼいことをやったりとか(笑)。そういうきっかけづくりを一生懸命やってたというのはあるかもしれないですね。

――2007年6月には「ニコニコ宣言」を発表しましたね。

 例えば「検索エンジンを作ります」という場合は、社長が「検索エンジンを作れ」と技術者に言って、でき上がってきたらサービス完成なんです。でも、ニコニコ動画って技術者が場を作って、そこに動画を載っけるユーザーがいて、その動画に対してコメントをつけるユーザーがいて、初めて場として回りだすんですよね。

 そうすると、何を目指すべきなのか、それをどういう風にしたら面白いと思うのか、というのを、動画をアップロードするユーザーとコメントをするユーザーに対して伝えなければいけないんですが、直接そのまま言っても伝わらないと思うんですよね。

 で、どうするかね、と思ったら、ものすごい回りくどいのが届いて、もう、それでいいんじゃないって(笑)。あの頃にニコニコ宣言を初めて見た人は、みんな「なんだこりゃ」っていう気がしてたと思うんですけど、10年後ぐらいに「ああ、こういうことが言いたかったのね」って思ってくれればいいかな、と。

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