FCC、ComcastをBitTorrentのブロックで厳しく追求--ネット中立性に関連して - (page 2)

文:Anne Broache(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2008年02月26日 15時07分

 これに対しCohen氏は「矛盾はしていない」とした上で、「われわれは、顧客がサービスをわれわれの提供方法に従って利用することを制限しているつもりはない」と反論した。

 さらにCohen氏は、顧客に提供している、よくある質問と回答をまとめたリストの一部を読み上げた。そこには次のように書かれている。「Comcastは、特定のPtoPトラフィックが他の顧客のサービス利用に悪影響を及ぼした、あるいは今後及ぼすと予想される場合は、そのトラフィックを限られた期間、一時的に遅延させる可能性がある」

 しかしMartin氏は、その程度の情報開示で、インターネットサーファーやアプリケーション開発者が必要な情報を入手するのに十分と言えるか問いかけた。

 この問いに対し、公益団体Free Pressの法律顧問を務めるMarvin Ammori氏は、まったく十分とは言えないと答えた。Free PressはFCCに対し、いかなるインターネットアプリケーションであっても、その品質を低下させる行為は、米国のブロードバンド政策に反すると明言するよう嘆願した。

 Ammori氏はMartin氏に対し次のように述べた。「長期にわたる(通信の)混雑状態とはどのような場合か、また、Comcastの言う遅延とはどのような意味かがはっきりしない。また、仮に私なら、そのようなもののためにソフトウェアを設計しようとするかどうか分からない(中略)私にはどうやったらいいか分からない」

 これまで差別禁止規則の制定を求めてきた民主党FCC委員のMichael Copps氏、Jonathan Adelstein氏の両氏もCohen氏に対し、Comcastの取った措置を弁明するよう迫った。

 これに対しCohen氏は、「Comcastは、いかなるウェブサイトやアプリケーション、さらにPtoPサービスを含むウェブプロトコルもブロックしていない」とし、さらに次のように続けた。「われわれが行っているのは、過剰に帯域幅を消費しているプロトコルを対象とした限定的なネットワーク管理であり、しかも実施するのはネットワークの混雑時に限られている」

 ISPを対象とした新たな差別禁止規則の制定に最も慎重な姿勢を示したのは、共和党FCC委員のDeborah Taylor Tate氏だ。同氏は、これまで一部の公益団体が指摘してきた通り、仮にブロードバンド事業者がスパムやウイルスの撃退以外の目的でネットワークを管理することを禁じれば、禁止の範囲がかつてないほど広範に及ぶ可能性があり、ここは各企業が(ネットワーク管理の)透明性を強化することにより対処する方が得策だ、と指摘した。

 また共和党のRobert McDowell委員も、他の人々と同様に、Comcastの措置が許容しうるネットワーク管理といえるか否かについては語らなかった。しかし同氏は、Comcastの手法については、ビデオコンテンツ配信事業の競争に関する別の問題が浮上する可能性があると指摘した。

 「仮にComcastがビデオサービスを提供していなかったら、われわれはここでこのような議論はしていなかっただろう」(McDowell氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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