ComcastはBitTorrentトラフィックのブロックに対する積極的な擁護作戦を開始し、米連邦通信委員会(FCC)に対して一部のファイル転送を遅延させるという同社の決断は、ネットワークの正常な運用状態を維持するために絶対に必要であり、批評家によって誤ったイメージを作られていると主張した。
ブロードバンドサービスを提供するComcastはFCCに対して、遅延させるのはピアツーピア(PtoP)のアップロード(同時にダウンロードが実行されていない場合)に限られ、しかもネットワークが混雑するピーク時のみであると主張した。
以下にComcastが米国時間2月12日に提出した文書からの抜粋を掲載する。
Comcastによるネットワーク管理の各種措置は、(1)ネットワークに過剰な負荷をかけることがこれまでに実証されているプロトコル以外は影響を与えない。(2)これらのプロトコルをネットワークトラフィックが集中する時間帯に限って管理する。(3)アップロードのみを管理する。(4)顧客が同時にダウンロードを実行していない場合(すなわち顧客のコンピュータが無人状態である可能性が最も高い場合)(つまり「単方向のセッション」または「単方向のアップロード」の場合)に限ってアップロードを管理する。(5)ネットワークの使用量が事前に設定された単方向の同時セッションのしきい値を下回るまでの時間に限ってこれらのプロトコルを遅延させる。
ネットワーク管理の各種措置は新しい技術的な動向に対応しなければならず、時間とともに必ず変化していくものであるが、Comcastは現在のところダウンロードに関連するトラフィックまたは双方向トラフィック(顧客が同時にダウンロードを実行している場合のアップロード)を管理する必要性を認めていない。ネットワーク管理のしきい値に到達する以前にすでに実行中であるPtoPのファイルアップロードは中断されず、双方向のファイル転送やダウンロードも(新規に開始されたものを含めて)影響を受けない。この措置は、ちょうど高速道路のランプに設置された制御信号灯が、渋滞時に高速道路に進入しようとする車両を制限するように、トラフィックの集中する時間帯にはシステムを圧迫することなく多量のリソースを消費する追加の要求を処理することは不可能だと言っているに過ぎない。だからといってドライバーは高速道路への進入が「阻止された」とか「妨害された」とか文句を言ったりしないであろう。むしろこれは一時的な遅延に過ぎず、他のすべての交通がスムーズに流れている限り、自分の番が来れば高速道路への進入が許されるのであって、このようにして秩序が保たれ混乱が避けられるのである。これはComcastがPtoPの単方向アップロードを管理する事情を説明するのに適切な例えである。
これはComcastがどのような措置を実施しているかを説明する最も詳しい文書であるが、ごく最近の2007年秋の時点でもまだBitTorrentやその他のプロトコルのフィルタリングがどのように実行されていたのかは正確にはわかっていなかった。
Public Knowledgeなどのリベラルな権利擁護団体の連合体は、Vuzeからの要求と平行して、FCCに対してComcastにBitTorrentトラフィックの制御を中止させ、ComcastがFCCのブロードバンドの政策原則に違反していたと宣言するように要求していた。権利擁護団体らは、消費者は、「正当な理由のあるネットワーク管理」が実施される場合を例外として、一般にBitTorrentアプリケーションを使用して自分の好きなウェブサイトにアクセスすることができると主張している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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