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MTVがデジタル戦略を明らかに--「インターネット時代に乗り遅れた」イメージ払拭へ

文:Greg Sandoval(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2008年02月14日 17時50分
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 一部のハイテクサークルの間では、Viacomは、おざなりなデジタル戦略や古いメディア的思考の象徴的存在だ。

 MTVはViacomの傘下に入ったことで、同社に対するハイテク通の音楽ファンの信用が損なわれたことはほぼ間違いない。しかし、MTVの経営陣は、同社がハイテク分野で他社に遅れを取り、オンライン上で同社のコンテンツが共有されることを恐れ、さらにインターネット時代に乗り遅れた、というイメージの払拭に躍起になっている。

 米国時間2月12日、MTV NetworksのMusic GroupとLogo Groupの社長を務めるVan Toffler氏と数人の最高幹部がサンフランシスコのHotel VitaliでCNET News.comの記者と面会し、そこで同社の今後のデジタル戦略について概要を明かした。たしかにMTVは、コンテンツシンジケーション、ソーシャルネットワーキング、デジタルダウンロードなど、親会社のViacomが失敗した、あるいは避けてきた分野への進出に、Viacomグループの他のどの部門よりも意欲的に見える。

 調査会社Forrester Researchのアナリスト、Charlene Li氏は、「(MTVの)挑戦的な姿勢に感動した」と述べ、さらに「同社は実に多くのリスクを取っている。同社ほど多くのリスクを取っている大手メディア企業は他にない」と語った。

 MTV以外にもParamount PicturesやBETを傘下に持つViacomは、多くの人々から、ユーザーが同社のコンテンツを他社のウェブサイトに投稿しないよう厳重に目を光らせていると見られている。しかしMTVは違う。同社は、組み込み可能なビデオプレーヤーを提供しており、ユーザーはそれを使うことで、MTVが著作権を有するすべてのコンテンツの投稿が可能になる。

 またMTVは同日、ソーシャルネットワークゲーム(SNG)分野への進出に向けた取り組みの詳細も明らかにした。2005年に、Viacomはソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手のMySpace.comを買収しようとしたが、より高い価格を提示したNews Corpに奪われた。それ以来、Viacomは成長するSNS市場の中で、ほとんど傍観者的存在に甘んじてきた。現在同社は、対象を絞ったウェブサイトを広範囲に構築し、緩く連携させながらもMTVの「VH1 Classic」「Jackass」「Sucker Free on MTV」といった番組と主に特化させることに注力している。

 これらウェブサイトは、MTVのデジタルに対する取り組みにおいて、中心的存在になると考えられている。MTVは自社コンテンツを強みと考えており、Toffler氏は、これらコンテンツをこれまで以上にウェブで提供したいと考えている。

 同社は2007年、32のサイトを新たに構築した。その考えにあるのは、ウェブサイト用組み立てラインといえるものを作ることだ、とMTV NetworksのMusic & Logo Groupでプログラムエンタープライゼズ担当バイスプレジデントを務めるJeff Yapp氏は述べる。

 利用者を獲得したサイトは引き続き育成され、そうでないサイトは解体および「新たなスキン」を与えられるとこで、次の実験に向けて改装される。MTVはまた、サイトのプロモーションに資金を幅広く投入することを計画していない。同社では、自社コンテンツ、および、話題を広めることにおいてウェブサイトが持つバイラル性に自信を持っている。

 また楽曲のダウンロード販売の分野では、MTVは大きなチャンスを逸した。同社は、AppleのiTunesのライバルとして2006年にMicrosoftと共同で立ち上げたオンライン音楽ストア「URGE」の立て直しを図っている。同サイトは、これまで一度も軌道に乗っていないが、MTVは2007年、RealNetworksの音楽配信サービス「Rhapsody」の協力を得て巻き返しを図ることを発表している。

 またMTVは、競合他社とは異なる新しい方向に踏み出そうとしている。現在同社は、ビデオゲームに5億ドルを投資する計画を進めており、2006年にはロックンロールシミュレーションゲーム「Rock Band」の開発元であるHarmonix Music Systemsを買収した。

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