Cisco Systemsは米国時間1月23日、屋内における携帯電話の電波を増強する機器を製造している英国企業IP.accessに投資したと発表した。
この取引に関する詳細や、CiscoのIP.accessに対する持ち株比率については明らかにされていない。
IP.accessが製造するのはフェムトセル(屋内用超小型携帯電話基地局)と呼ばれる機器で、屋内における携帯電話の電波を増強し、ビル内の通話可能エリアを改善する装置である。フェムトセルを使えばネットワークの範囲を低コストで拡充ことができる。すでに世界のワイヤレス通信事業者数社が採用し始めている。2007年にはSprint Nextelが自社のフェムトセル製品「Airave」を提供することを発表した。IP.accessは自社のウェブサイトで、同社は、T-Mobile USA、Smart(フィリピン)、Telfort(オランダ、現KPN) 、Telefonica O2(チェコ)などの通信事業者と契約していると述べている。
Ciscoがフェムトセルのメーカーに関心を持ったことについては、別段、驚くに当たらない。Ciscoは、もともと通信事業者にIPネットワークの基幹となる機器を提供してきた企業だったが、数年前からはワイヤレス機器製品を増やしてきた。これまでの最大級の企業買収はいずれもWi-Fi市場でのもので、著名なものではLinksysとAirespaceの例がある。さらに、ほかのワイヤレス技術にも手を広げており、9月にはワイヤレス通信用電波の管理機器メーカーCognioを、10月にはWiMAX機器メーカーNaviniを3億3000万ドルで買収している。Ciscoは顧客の多くがモバイルに移行する今を大きなチャンスと見ている。Wi-Fiルータ同様、フェムトセルも屋内におけるモビリティを改善する機器である。
フェムトセル技術に関心を寄せる大手技術系企業はCiscoばかりではない。Googleは、投資額は明らかにされていないが、2007年にUbiquisysというフェムトセルメーカーに投資している。
IP.accessは、携帯電話の基盤技術を提供する企業TTPComからスピンアウトして1999年に設立された(その後、TTPComはMotorolaに買収された)。ここ数年はベンチャー投資家から資金を調達しており、それにはIntel Capitalも含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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