Cisco Systemsは、モバイルワーカー向けリモートアプリケーションへのアクセスを高速化する新しいソフトウェアクライアントを企業向けに提供する予定である。
Ciscoが現地時間1月22日にバルセロナで開催中のCisco Networkers 2008において発表したこのクライアントは、同社のWide Area Application Services(WAAS)ポートフォリオに対する拡張である。このポートフォリオで高速化できるアプリケーションへのアクセスはこれまで、企業の本社や支社間のみだった。
WAAS MobileはモバイルワーカーのPCに導入するソフトウェアクライアントで、サーバとクライアント間のTCPラウンドトリップ回数を削減し、キャッシュ技術を利用することにより、モバイルワーカーが使うTCPベースのアプリケーションを高速化する。
同社によると、企業がサーバを集約するとワイドエリアネットワークの負荷が増えるため、WAASは重要であるという。サーバを集中化するとネットワークリンクが増えるためクライアントとサーバ間のラウンドトリップが長くなり、ワイドエリアネットワークのトラフィックが増え、その結果使い勝手が悪くなるというのだ。
Ciscoのバイスプレジデント兼アプリケーションデリバリ部門のゼネラルマネージャーであるGeorge Kurian氏は22日、「エンドユーザーに確実な接続環境を提供できないのであれば、統合アーキテクチャに移行することはできない。そのため、これは当社のデータセンター戦略にとって重要な問題だ」と述べた。
また、ZDNet.co.ukに対して、ストレージ、サーバ、アプリケーション分野はCiscoにとってチャンスであり、高速化技術はそのチャンスをつかむための必須条件だと付け加えた。
Kurian氏によると、同社はMicrosoft、Oracle、SAPと密接に協力して、これら企業のアプリケーションを高速化する最善の方法を検討しており、Windows Vista、Microsoft Office、Windows Server 2008、Exchangeなどがモバイルワーカー向けに高速化が必要なキーアプリケーションだという。
Kurian氏は、その効果についてPowerPointプレゼンテーションで2倍、Word文書で6倍になると主張している。しかし、この数字は、リンクの余裕容量と遅延、WAAS Mobileクライアントがそのファイルにアクセスしたかどうかなど、さまざまな要因に左右される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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