α700のAFはα100に搭載されていたものから刷新されたものとなった。α100では9点だったAFポイントがα700では11点となっている。同時に中央のAFポイントに縦横2つずつAFセンサーを配置し「デュアルクロスセンサー」としてAF精度を上げている。さらに中央部にはF2.8対応センサーを重ねて配置してあり、開放値F2.8以上のレンズを使用した場合には更なる精度の高いAFを実現しているという。
これらAFセンサーの精度向上とAFポイント数の拡充に加え、AFシステム自体のシーケンスやアルゴリズムの最適化も行われたという。実際にα700を使用してみると、確かにα100のAFよりも速くなったようだ。α100ではAFの迷いに度々悩まされたものだが、α700に至ってはそのようなこともない。
実感においても合焦スピード・精度ともに上がっているようだ。AFポイントの選択はマルチセレクターを動かして行うのだが、このジョイスティックを使用してのセレクトは非常に扱いやすい。特にファインダーを覗きながらでのセレクトには最適と言える。
またAFエリア選択を「ローカル」モードにした状態でAFポイントを中央以外に設定している場合や、フォーカスエリアが自動に選択される「ワイド」モードを選んでいたとしても、マルチセレクターを押し込むことで、押している間だけ中央AFポイントでの測距となり、撮影する瞬間の被写体の状態に合わせたAF測距が瞬時に可能となるのだ。
同じようなジョイスティックのよるAFポイントの選択は、最近のキヤノンEOSシリーズにも用意されてはいるのだが、こちらは私個人としてはほとんど使用したことがない。なぜならばジョイスティックの位置が微妙に親指で操作するのには合わず、またジョイスティックの操作性に難を感じてしまうからだ。
その点α700のジョイスティックは配置位置も良く非常に操作性の良いできとなっている。このようにα700のAFシステムは非常に完成度の高い仕上がりとなっている。さらにα100にはなかった「AF/MFボタン」も非常に便利な機能と言えるだろう。
このボタンを押している間だけ、AFであればMFに、MFであればAFにと一時的に切り替えることができるのだ。これにより瞬時にAFとMFを切り替えながらのピント合わせが可能となる。これらAFシステムの完成度の高さは、AF一眼レフカメラの先駆けとなった「αシリーズ」の伝統と意地から来るものだと言えるだろう。
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