PFR-V1について語る上で外せないのが開発を担当したソニー オーディオ事業本部 第3ビジネス部門 1部 ACC担当部長 山岸亮氏の存在だ。山岸氏はこれまで「SRS-N100」、「SRS-T1」、「SRS-Z1」、「SRS-AX10」などユニークなスピーカー製品の設計を担当してきた。どの製品にもニアフィールドスピーカーという共通点がある。またハウジングから発生するノイズ(箱鳴り)を極限まで抑えるためにコンパクトな製品が多い。
筆者はPFR-V1のあまりの特異性に興味を覚え、SRS-Z1、SRS-T1、SRS-AX10などを購入したり、知人から借りたりしてテストをしてみた。どれも音質の差こそあれ、PFR-V1に共通する歯切れの良さ、潔く重低音を切り捨てたヌケのいいサウンドを楽しめた。
ただ、唯一SRS-T1のみ低音を重視した設計により、毛色の違うもっさりとした再生音だったのが印象に残った。どれも音質に中庸を求めない、かなり好みの別れる仕上がりだったのには驚かされた。
PFR-V1の開発は、山岸氏がSRS-AX10を耳元でならして、いい音がしたのが切っ掛け。低音の不足を補えないかと、さらにポートにストローを差したことで、低音が豊かになり、PFR-V1の開発に着手したと聞く。実際にSRS-AX10を耳元に近づけてテストしたが、PFR-V1とはほどとおり寂しい音だった。それもそのはずで、PFR-V1には、現在コンパクトスピーカーのパーツとして使用できる最高級の素材が使われている。
SRS-AX10とPFR-V1の大きな違いは素材へのこだわりだけでなく、エクステンデットバスレフダクトの存在も大きい。これはPFR-V1から出る低音を管状のエクステンデットバスレフダクトに送り込み、低音だけを直接「外耳道」に送り込む仕組みになっている。これによりスピーカーサイズを上回る低音再生を実現した。
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