まず奇抜なデザインから見てみよう。PFR-V1を装着するには頭頂に乗せるバンド部分と、耳の付け根、そして耳珠と言われる耳の突起の3ポイントで固定する。ヘッドホンは頭頂と左右から側圧をかけることで固定するいわば面固定だが、PFR-V1は点で支えるので圧迫感が少ない。側圧式のヘッドホンは長時間装着すると蒸れて汗ばむことがあるが、PFR-V1では風通しがよく、からっとした装着感だ。
サウンドはとにかく歯切れがよく驚く。音離れが良いのも特徴的で、クラッシックなど複数の楽器の音色が折り重なる場合でも、それぞれの楽器の輪郭が感じられるような解像度の高さを感じる。
中域から高域までの音色は実に伸びやかで、1本数十万円するような高級ヘッドホンにスーパートゥイーターをつけたような清々しい音色を楽しめる。ただし重低音に関しては、物足りなさを感じた。中高域の紙を切るような鋭い反応に比べると、低音は少しぐずる感じがする。中高域の仕上がりがいいので、欲が出るのかもしれないが、もう少し低音にボリュームと、パンチがあれば申し分なかった。
視聴中の騒音だが、前述したように音はすべて周りに漏れている。いや、漏れていると言うよりも、装着者の頭自体がスピーカーとなり、室内にBGMを響かせることになる。もし電車で使おうものなら、とんだ笑いものになることは間違いない。ただし、最大音量で聞いても、据え置き型スピーカーのような大音量にはならないので、深夜の利用で近所から苦情がくることはなさそうだ。
PFR-V1には専用のブースターが付属する。これは携帯音楽プレーヤーとPFR-V1の間に接続して、プレーヤー側の出力の不足を補うパーツだ。PFR-V1を鳴らすには、携帯音楽プレーヤーからの出力では弱いので、ヘッドホンアンプのように出力をブーストし、音質も向上させている。
PSPやウォークマンでテストしたところ、ブースターを装着した方が音質にメリハリが出て、聞きやすくなる。とくにPSPでアクション映画を再生したところ、2チャンネルステレオながら、サラウンドのような臨場感を感じられた。効果音や台詞が一般的なヘッドホンよりも、明確に再生するので、臨場感が高まったのだろう。
驚いたのはブースターにPFR-V1以外のヘッドホンを接続しても、同様の効果が得られ、音質が格段に向上したことだ。ブースターをつけた方が音にボリュームが増し、解像感も格段に向上した。ちなみにブースターはPFR-V1の購入者向けに、パーツとして購入できるが、価格は5400円とかなり高価だった。
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