北京の裁判所は、中国雅虎(ヤフーチャイナ)が海賊版の音楽をダウンロードさせることによって著作権法に違反したとの判決を支持し、ヤフーチャイナは法的な戦いで再び敗れることになったと、ヤフーチャイナを提訴している業界団体が発表した。
「今回のヤフーチャイナに不利な判決は、中国におけるインターネット音楽サービスの著作権のルールを明確化したという意味で非常に意義深いものだ」と国際レコード産業連盟(IFPI)の会長兼最高経営責任者(CEO)であるJohn Kennedy氏は現地時間12月20日に声明で述べた。「中国の裁判所は、ヤフーチャイナのサービスが新しい中国の法律の下で著作権を侵害していると認定することによって、中国全土のインターネット会社が従うべき基準を効果的に定めることになった」(Kennedy氏)
Yahooはヤフーチャイナの株式を44%保有しているが、企業支配権は中国のインターネット企業である阿里巴巴(アリババ)が保持しており、アリババが実質的にヤフーチャイナのサイトを運営している。アリババの関係者にコメントを求めたが、現地時間21日の時点では連絡が取れなかった。
音楽業界を代表するIFPIは、2007年1月にWarner Music Group、Sony BMG、Universal Vivendiなどを含む複数のレコード制作会社の代理として訴訟を起こした。
IFPIは訴訟で、ヤフーチャイナは同社の検索エンジンと、U2やDestiny’s Childといったアーティストの楽曲の違法コピーを掲載しているウェブサイトとをリンクさせることによって著作権を侵害したと非難した。
4月には北京の下級裁判所がヤフーチャイナは著作権の侵害を助長したという判決を下していた。ヤフーチャイナはこの判決に対して上訴し、自社のウェブサイトの外部に置かれているコンテンツに対して責任を問われるべきではないと主張していた。しかし今回、上訴は北京の上級裁判所で棄却されたとIFPIは述べている。
この件とは別に、裁判所はインターネット企業の百度(バイドゥ)に対する同様の訴訟においても著作権侵害の判決を支持した。2006年11月、下級裁判所はBaiduが著作権侵害を助長したと認定した。しかし、この訴訟は2005年に中国の旧著作権法において提訴されたため、Baiduは著作権侵害に対する責任を問われなかったとIFPIは述べている。
「われわれは裁判所がBaiduの責任を問わなかったことは残念に思っている」とKennedy氏は声明で述べている。「しかし、この判断は旧法におけるBaiduの過去の行為に関するものであり、もはや効力はない。Baiduは自身の行為について新法の下で判断してもらう準備をするべきである。われわれは裁判所がヤフーチャイナの場合と同様にBaiduの責任も認定するはずだと自信を持っている」(Kennedy氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス