「Android」を発表し、携帯電話サービスや広告だけでなく、プラットフォームにまで進出するGoogle。11月27日に開催された、モバイル技術とビジネスのためのカンファレンスイベント「mobitec2007」で、「モバイル版Google AdSenseの可能性」と題した講演が行われた。
最近、モバイル向けのサービス展開に力を入れるGoogle。講演に祭壇した同社日本法人のコーポレートコミュニケーションズ・ストラテジック・パートナー・デベロップメント・マネージャーのJohn Lagerling氏が明かした同社のモバイル戦略のポイントは「パーソナライズドなサーチ」と「携帯電話に最適化したサービス」だ。Lagerling氏は、その理由を「携帯電話はインターフェースそのものが限られている。各社がそれぞれのブラウザを使っているので、我々がそこをどうフォローできるかが大きなチャレンジだ」と説明する。
また、「『ポータル』とまでいかなくても、ユーザーが選択した項目に関連したユーザーの関心の高い情報を、検索しなくても包括的に提供することが重要になる」と方向性を語り、RSSフィードや検索ワードの予測機能、ユーザーの入力ミスを補助する機能など、PC向けに提供している機能をモバイルでも展開していく意向を述べた。
一方、米国時間11月5日の記者会見で、携帯電話向けの包括的オープンプラットフォームとして「Android」を発表したGoogle。Androidプラットフォーム上のアプリケーション開発に携わる国際的なアライアンス「Open Handset Alliance」には、34社が参加する意向を表明している。Lagerling氏は「PCの世界とは違い、モバイルはキャリアや広告主、ディベロッパーなどのパートナーとの連携が不可欠」とし、パートナーシップに重点を置いたモバイル展開を行っていく方針を改めて語った。
さらに、今回の講演の中でGoogleの今後の役割としてLagerling氏が何度も強調したのは「モバイル検索でいかにPCと同じ環境を実現するか?」という点だ。そのひとつとして初めてGoogleが他社と提携して実現したのが、KDDIのauの端末上でGoogleのGmailを利用できるサービスだという。
モバイル向けの新たな広告展開としては、10月10日にモバイル向けのコンテンツ連動型広告サービス「モバイル版AdSense」を開始している。これはAdSenseサイトの運営者を対象に、モバイルサイトにコンテンツ連動型広告の掲載を可能にするサービスで、PC版で実績のあるプレイスメントターゲット技術を応用している。Lagerling氏は「ユーザーが作成したコンテンツの中身をPC上で評価するアルゴリズムを、さらにモバイル向けに転化して走らせている」と説明。携帯電話では、PCに比べて短い手順で求める情報にたどり着けることが望まれるが「たとえ短時間の接触でも、最適な広告をヒットして表示させることができる」(Lagerling氏)と解説した。
加えて、「飛び先でも広告検索できることがモバイルでも重要」と述べ、その一例として同サービスを採用しているauのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)サイト「au one GREE」を紹介し、同サイト上では検索結果ページに加えて、コンテンツページにもテキスト広告を配信していることを紹介した。
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