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暗雲漂う「IT839」戦略--鳴り物入りでスタートした計画に何が・・・(前編)

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 日本に「e-Japan」計画があるように、韓国にも「u-Korea」という、ユビキタス社会を目指すスローガンのようなものがある。そしてそれを実現するための具体的な推進政策が「IT839」戦略だ。これは、世界最先端のIT技術開発により、国内の産業や市場を活性化させようという、まさに国全体の利益や発展をかけた重要な戦略だ。

 IT839はもともと2004年2月に制定され、技術や社会の状況の変化に合わせ2006年2月にu-IT839(uはubiquitousの意味)と改名された。それとともに内容も若干修正され、現在はそれに沿った計画が進められている。

 IT839戦略の推進を担当している韓国政府の情報通信部によると、u-IT839の内容は、8大サービス、3大インフラ、9大新成長動力のことを指す。さらにその内訳を見てみると、通信や放送、ロボット、ソフトウェアなど内容は多岐に渡っている。2010年までに関連事業が年平均14.2%ずつ成長し、2006年から2010年までに総生産額が計576兆ウォンを達成すると見込まれている。

 情報通信部は2007年9月に、u-IT839によるこれまでの成果点検と今後の予測を発表し、2002年から2006年までに、IT839に関連する技術の国際特許が111件に達していることを明らかにした。情報通信部は、これにより見込まれるロイヤリティ収入だけでも3億米ドルを超えるだろうと述べていた。

画像の説明
u-IT839の内容(情報通信部の資料より)

 しかしこのIT839が、現実には期待ほどの成果をあげらず、誤算もあったのではないかと指摘されている。国会議員のピョン・ジェイル氏は、IT839戦略の誤算は、政府が技術開発をすれば、あとは市場が自然についていくるだろうと思ってしまった点にあると述べた。

国際標準が宝の持ち腐れに?!

 例えば韓国が力を入れて開発した無線高速通信技術のWiBro。WiBroは2007年10月、国際電気通信連合(ITU)によってIMT-2000として採択され、事実上の国際標準となった。韓国内でも既に通信会社のKTと、携帯電話事業者のSK Telecom(SKT)が、2006年6月末からサービスを開始。ソウルをはじめとした主要都市で利用できるようになっている。

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