WiBroを海外に輸出するからには、まず国内市場での活性化が不可欠だ。しかし、2007年10月時点で韓国内のWiBro加入者は7万人を少し超えた程度。同時期の売上額は198億ウォン程度だった。2004年のIT839戦略設立当時、2007年の売り上げ予測は5097億ウォンとされていたが、実際はその約4%にとどまる数値だった。
WiBroユーザーは、KTが全加入者中90%以上を確保している状態だ。そのKTも最近、2008年のWiBroの加入者展望を合計20万人から10万人に下方修正している。対応地域の不足や一般的な認知度が低いため、との説明だ。
WiBroに関してはこのほかにも、顧客サポート体制の不備や事業者の意思欠如などが挙げられるだろう。とくにSKTは大々的な宣伝もしないので、同社がWiBroサービスを提供していること自体知らない人も多い。
逆にWiBro関連の装備を提供するSamsung電子などは勢いづいており、海外の事業者に装備を提供したり、最近では一気に4種のWiBro対応端末を発表もしている。結局のところ現時点でWiBroは、韓国内の加入者相手の通信会社より、世界の通信会社を顧客にしている装備会社の方が利益を上げやすいのかもしれない。
とはいえSKTによるWiBroの例に漏れず、企業が消極的だと市場の反応も消極的になってしまう。認知度を上げてから設備投資をするか、設備投資をしてから認知度を上げるかは“鶏と卵”の議論となってしまうのが難しいところではあるが、これまでの投資が無駄にならないためにも進むしかないのが現実だ。
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