消費者は関心を持っているか?--次世代DVD戦争の行く末 - (page 3)

文:Erica Ogg(CNET News.com) 翻訳校正:アークコミュニケーションズ、瀧野恒子、國分真人2007年10月25日 16時00分

 両陣営にとって幸運なのは、HDTVの売れ行きがこのところ好調なことだ。NPD Groupによれば、2007年8月に販売されたテレビは、10台のうち8台がHDTVだった。そして1080p対応も増える傾向にある。DisplaySearchのデータによれば、2006年には出力解像度が1080pの40インチ以上の大型液晶テレビの売上が40%増加した。

 しかし、NPDが2007年のレポートで明らかにしたHDビデオに関する統計が多くを物語っている。それによると、HDTV所有者の73%がDVDに満足しており、現在持っているプレーヤーを買いかえる必要性は感じていない。

 つまるところ、ほとんどの人はDVDで十分なのである。おそらく大半の消費者は、すでにDVDプレーヤーを持っている。持っていない消費者にとっては、スタンダードなDVDプレーヤーの平均的な価格がHD DVDプレーヤーやBlu-rayプレーヤーの価格よりも手頃なのは明らかだ。過去9カ月間に大幅に下落したとはいえ、次世代DVDプレーヤーの価格は標準的なDVDプレーヤーの価格を390ドル上回っている。

 「DVDは成功が裏目に出たようなものだ。DVDは優れた技術だから」と語るのは、Yankee Group Researchのアナリスト、Josh Martin氏である。それに加えて、VHSテープからDVDへのステップアップと、DVDから高品位ディスクへのステップアップには似ているところがない。「次世代DVDは定義を見直すものではなく、技術を微調整したにすぎない。コンテンツ保有者は大きな飛躍だと思うかもしれないが、消費者から(次世代ディスクを)見ればディスクはディスク。再生するために、プレーヤーに600ドルとかそういう値段を払う価値があるとは思えない」という。

 Blu-rayやHD DVDがホームビデオの新たな標準になるのを妨げている最大の障害は、実際はフォーマットの競合ではなく、安価な、いわゆるアップコンバート機能(SDコンテンツをHDコンテンツに変換する)を備えたDVDプレーヤーであるとする意見もある。このプレーヤーは、普通のDVDをBlu-rayやHD DVDと同じ1080pに変換する機能を持つ。大手映画会社やハードウェアメーカーは1080pで録画および再生される映画と同じではないと主張しているが、平均的な消費者にとっては十分な画質になる。

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